革靴の手入れ術は素材によってまったく違う 若手注目職人が説く「週末靴磨き」の奥義

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続いてはスエードやヌバックといった起毛素材について。

「スエードは牛革の裏面を使っていて、ヌバックは銀面を削って起毛させたことの状態なんです。特徴は、ヌバックは起毛が短くて、サラッとしていてエレガントに見えるんですね。いずれも光沢のある牛革に比べて表面が割れにくく、頑丈ですね」

さらに防水スプレーを掛けてあげれば水や汚れにも強い。アウトドア用のブーツで採用されているケースが多いのは、そういうこと。ヨーロッパでは雨の日用の靴として親しまれているのだとか。

「そんなスエードやヌバックのお手入れですが、実はどちらも一緒。汚れは削るんです。金属のリン青銅でできたブラシで磨いて、200番台後半から300番台前半の紙ヤスリでごしごしヤスリましょう。そのあとに防水スプレーを掛けてあげます。ただ、若干色が落ちたりするので、専用の色つきスプレーを掛けてあげるといいですね」

鏡面のようなパテントレザー、お手入れはかなり楽ちん

お次は光沢が美しいパテント(エナメル)。実はパテントとは特許製法の意味で、約200年前にアメリカで「水や汚れに強い革靴を作ろう」と開発されたものだとか。かの光沢感は、コーティングによるもの。それゆえ、めっぽう強度があるのだそう。

「メンテナンスフリーともいわれますが、定期的に汚れを落としてあげることも大切です。また専用のクリームを塗り込んで、保護膜のケアをしてあげましょう。それと大切なのが、湿度の管理。高温多湿な日本ではコーティングが劣化しがちですから、あまり湿気がこもらない環境で保管することが大切です」

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