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東京の「土木地形散歩」は最高におもしろい 現在の東京の骨格は江戸時代のインフラだ

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  • 陣内 秀信 法政大学教授・工学博士・中央区立郷土天文館館長
  • 皆川 典久 東京スリバチ学会会長
  • 北河 大次郎 オンライン土木博物館「ドボ博」館長
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陣内:なぜ、明治になって勾配が緩やかになったんですか?

北河:明治に入ると、お雇い外国人や海外からの文献の影響で、日本の伝統よりも緩い法勾配(のりこうばい)の土構造物が一気に導入されています。

皆川:半蔵門辺りの法面(のりめん)も急勾配で怖いくらいの迫力ですよね。首都高が水面より低い箇所もありますが、あれは大丈夫ですか(笑)?

北河:水位をコントロールできてるはずだから、危険はないと思いますが。自然の河川だったら、増水で沈む沈下橋みたいな桁の高さだけど(笑)。

陣内:一番高いのは、半蔵門付近ですよね。玉川上水の水が入って、雨水が入っても、徐々にオーバーフローするから、常に水位が安定しているのかな。

皆川:たしかに溢れたことはない。

棚田の仕組みを応用、城の周りに内濠をめぐらせた

陣内:そもそも、あの内濠を城の周囲に通したことがすごい。よく見ると、半蔵門、武道館の辺り、靖国神社の下は掘ったというのがわかりますね。

皆川:自然の谷地や窪地を利用して、城の周りに内濠をめぐらせた。

陣内:外濠もそう。歴史家の鈴木理生さんは、「この技術は棚田の仕組みを応用したのではないか」と言っていました。

皆川:たしかに水をコントロールする技術で、通じるものがありますよね。

北河:首都高は三宅坂ジャンクションの手前で半蔵濠の脇を地下に入りますが、最初はあそこも地上を通す案でした。ところが内濠が史跡に指定されていることと、皇居の警備上の問題でダメになった。皇居の中まで見えてしまうのがよくない、という話で。

陣内:昭和30年代に首都高をつくるとき、何カ所かでそういう議論があったようですね。その中でも千鳥ヶ淵は一番配慮されたエリアだそうです。

北河:確かに独特な景観ですね。

陣内:ちなみに、皇居周辺の桜はすべて近代に植えられたもので、江戸時代は黒松が数本生えていた程度だと聞いています。だから、風景が全然違う。そもそも防御のために作られた淵なので、敵が身を隠す木がたくさんあると困る(笑)。

皆川:歴史的と思われる景観も、時代ごとに手が加わっているのですね。

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