「米中急接近」で米国の対日戦略はどうなるか

手ごわいUSTR代表の登場にも要注意

一方、中国に対して、トランプ政権は北朝鮮をめぐる中国の協力と極めて明快な引き換えに、中国を為替操作国としての認定を見送った。対中貿易不均衡について、圧力を控えるように配慮していることは明らかだ。

中国との関係で、もう1つ前進があった。貿易不均衡是正に向けた「100日計画」の具体策として、中国が米国産牛肉の輸入を再開することになったことだ。この場合、その見返りのような「タイミング」で、米国は中国の国家事業であるシルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力することになった。

中国による牛肉の輸入再開は、アイオワ州などの産地には朗報だ。アイオワ州といえば、習氏が河北省の共産党書記時代にホームステイしたところであり、その縁で同氏とは「30年来の旧友」というテリー・ブランスタッド氏が、同州知事から駐中国大使に抜擢されている。

日本も柔軟な対応が迫られる

トランプ氏は、大統領選挙中は対中貿易赤字を目の敵にして、中国を為替操作国に認定すると息巻いていた。それが米中首脳会談を契機に、北朝鮮問題をめぐって中国との協力関係を図りながら、貿易面でも急接近し始めた。

そんな米中急接近、協力関係の安定化は、今秋に共産党大会を控える習氏にとってプラスになる。特に習氏が提唱した外交上の最優先課題である「一帯一路」で米国の協力を取りつけたことは大きい。

こうした米中関係の進展は、日米関係にも影響大だ。日米首脳会談では、安倍晋三首相が提案した米国での「70万人雇用創出」が高評価されている。それに安住することなく、日米関係をさらに強化するには、中国が米国産牛肉輸入を再開したように、個別、具体的な成果を上げていく必要がある。

TPPを離脱し、2国間貿易にシフトした米国は、今後、ますます個別、具体的な2国間交渉を求めてくるようになる。日本としても、それを十分覚悟し、柔軟に対応していかなければならない。

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