固定資産税が重すぎる人の解消されない悩み

市場価値が下がっても減らない硬直的な制度

あるリゾートマンションの管理組合は、今年1月から3月にかけての3回の競売に計8戸をかけたが、いずれも特別売却を通じて8000円で買った。約250戸のうち滞納が40戸あったことがあるというが、一連の競売で悪質な滞納は解消したという。

この管理組合の理事長が言う。

「管理費を滞納するということは、固定資産税も滞納している。われわれが滞納を解消して新たな入居者を見つけるということは、固定資産税をきちんと払う人を増やしているということです。競売にかけるためにわれわれは1戸当たり100万円ぐらいの弁護士費用などをかけている。それだけ町に貢献していることになります」

こんなに苦労をして入居者を変えても、次の入居者がまた滞納を始めることがある。実は、先述の9戸のうち1戸は、2010年に競売で滋賀県の会社が買ったが、引き継ぐはずの滞納さえも支払われなかった。滞納額は2007年からの約230万円に膨らみ、管理組合が再度、競売を申請した。

あるマンションでは競売で売れた2部屋が、昨年3月と4月、沖縄の宗教法人の名義で登記された。マンションのほかの持ち主によると、宗教法人は管理費を滞納するだけでなく、入れ墨をした人たちが部屋に出入りして共同の大浴場も使う。管理人が入れ墨の人は風呂を使わないよう注意してもやめないという。

この2部屋のうち、約33万円で落札された部屋は1989年に、いまは経営破綻した東京の会社が買った。その後、1994年に、湯沢町の別のリゾートマンションと、山梨県山中湖村のリゾートマンションの計3部屋を担保に5億円を限度とする融資枠が設定された。山中湖村の物件も、2014年に競売で売却された。各地のリゾートマンションが格安で処分されている実態がある。

別のマンションの理事長は心配する。

「マンションは安くなるとさまざまな人が買って入ってくる。暴力団だったら暴力団対策法で追い出すことができますが、名簿にない連中もたくさんいる。そういう連中は何をしたら法に触れるかを知ったうえで、嫌がらせをするのでたちが悪い。マンションが戸建てと違うのは、管理組合に数千万円から億円単位の修繕積立金があることです。嫌気が差した住民が出ていって、管理組合が乗っ取られたら大変なことになる。場合によっては水道を止めるぐらいの毅然とした態度で向き合わないとつけ込まれます」

「固定資産税を時価評価方式にする考えは?」

そんなリゾートマンション定住者の間で負担感が高まっているのが、固定資産税だ。2016年8月、町内のリゾートマンションの理事長ら30人が集まり、町の担当者、警察、消防などの関係者と意見交換をする「連絡会議」が、田村正幸町長も出席して開かれた。席上、理事長から固定資産税に関する質問が続いた。

「固定資産税が高いという共通の認識がある。時価評価方式に移行する考えはあるか」

「『移住定住促進プロジェクト』で住宅取得を支援する財源があるなら固定資産税を下げることもできるのでは」

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