カルビー「ポテチショック」が呼び込んだ特需 コイケヤにも波及、消費者が一斉に走った

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これも、おそらくカルビーのニュースを聞いた消費者が、ポテトチップス全体が生産中止になると考え、スーパーマーケットに走った結果だと思われる。

飢餓感がある種の駆け込み需要を生む

今回の販売休止の報道を、どれほどの人が細部まで聞き、ちゃんと調べただろうか。すべてのポテトチップスが販売休止になるようなイメージを抱いた人も少なからずいたに違いない。

それが良くも悪くも、販売量を急増させたようだ。カルビーにとっては、ジャガイモ不足など悪夢でしかないだろうが、その飢餓感が消費者にある種の駆け込み需要を生んだ。

日本テレビが5月12日に報じたところによれば、9月以降にカルビーは販売休止商品の販売を正常化していく見通しだという。

ところで、もちろん私は、これがカルビーのしかけた販促案だとはまったく思っていない。ジャガイモ不足はほんとうだろうし、品質を優先した同社の姿勢も悪いとは思わない。そうではなく、それがたまたまであったとしても、メディアにさかんにとりあげられ、かつすべてのポテトチップスではなく、一部のポテトチップスが販売休止(あるいは販売終了)という状況における特需は確かにあったことがわかった。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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