日本では不可能? 英国「母の日」にSL運転体験 母親限定、蒸気機関車を本線上で運転

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本線上ですれ違う列車。ハイス―ニューロムニー間は複線となっている(筆者撮影)

逆転器や蒸気圧の操作など、指導機関士は口頭で指示するだけ、すべての操作は家内が行う。いよいよ出発準備が整い、汽笛一声。小さい機関車だが、前述のとおりこれは遊園地にあるオモチャの鉄道ではない。汽笛も遊具の一部ではなく、危険回避や合図を送るための装置であるため、本線級の大型機関車と同じ。あまりにも大きい音に、家内も悲鳴を上げる。やがて蒸気圧を送ると、車輪がゆっくりと動き出した。

今までにない新鮮な興奮

母の日の運転体験イベントはホームで受け付けていた(筆者撮影)

ホームの端まで短い距離を少しだけ体験運転するのかと思いきや、そのまま本線へ進入し、速度を上げて駅構内から去っていった。しばらくすると汽笛が聞こえ、ハイスからの営業列車と並走する形で、駅へ戻ってきた。車止めにぶつけることもなく、見事なブレーキ操作で停止位置に無事停車して体験運転は終了。運転証明書を記念にもらえる。家内に感想を聞いたら、駅を出てそのまま駅構内を外れた場所まで、かなりの距離を運転したそうで、とにかく指導機関士は口頭での指示のみ、運転操作はすべて家内がやったと興奮ぎみに語った。特に「女子鉄」というほど鉄道に興味があるわけではない家内だが、本物の機関車を運転するという体験は、今までにない新鮮な興奮を味わえたようだ。

日本では、法的な問題もあって、このようなイベントの実現はなかなか難しいかとは思うが、昨今急増している「ママ鉄」「女子鉄」向けに、こんな体験ができるイベントがあったら、かなりの人気を博すのではないか、と感じた。

橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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