京王線「グリーン車」からライナーまで名車の軌跡 実は全国でも超レアな「軌間」、知られざる廃線も

京王電鉄は、東京都心と八王子や高尾山、多摩ニュータウンなどを結ぶ、一般的に京王線と呼ばれる各線と、渋谷―吉祥寺間を結ぶ井の頭線という大きく個性の異なる路線を擁する鉄道だ。
京王線といえば、かつては緑色1色やアイボリーに赤帯、そして現在はステンレスに赤と青の帯が入った電車として首都圏ではおなじみの存在であろう。筆者にとっても京王電鉄はなじみ深い存在で、井の頭線沿線の渋谷在住時代も合わせると50年近くを沿線で過ごしてきた。
今回は京王線について、車両を主にしつつ知られざる歴史も取り上げたい。
毎日見る線路、実は珍しい?
鉄道ファンには周知の事実であろうが、沿線利用者の方々、京王線は大手私鉄としては全国で唯一の軌間(線路幅)1372mmを採用していることはご存じであろうか?
というのは、先だって代々日野市在住という同市役所の職員と鉄道の話をしたとき、この人は京王線の線路幅が1372mmであることを知らなかったのだ。職員は「えっ」という驚きの表情をした。そこで、なぜそうなったのかの経緯を説明することになった。
京王線は最初の区間として、1913年4月に笹塚―調布間12.2kmが開通した。当初は東京市電(のちの都電)との相互乗り入れを想定していたため、開業するにあたり軌間を東京市電と同じ1372mmとしたものだ。
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