留学で「こんなハズじゃ」と後悔する人の思考 夢のLA留学生活は「海外ドラマ」と大違い!

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しかし、実際に彼女が3カ月間滞在したホストファミリーの家庭は、ドラマとはかけ離れたものでした。

彼女がステイすることになったのは、大学からバスで1時間ほどの距離にある、ロサンゼルスの中でもヒスパニック系の人が多く住むエリア。ホストファミリーは、お母さんとお祖母さんで、子どもは2人いるということでしたが、今は別の場所に住んでおり、結局1度も会うことはありませんでした。

生活が始まって、最初に困ったのが通学です。市バスを乗り継いで大学まで行くのですが、日本のような時刻表もなく、なかなか時間どおりにバスが来ないのです。

時間どおりに来るのが当たり前、数分の遅れでもアナウンスがある日本の交通機関に慣れきったAさんにとって、この運行状況には途方に暮れるしかありませんでした。車だと20分かからないで学校まで行けるとクラスの友人から教えてもらったのは、留学生活も後半になってからのことでした。

予想外! 夕食は1人だけ別、シャワーは1人10分

毎日の生活も、想像していた海外ドラマ風のものとは違いました。

一般的にアメリカのホームステイ先での食事の提供は朝と晩の1日2食というスタイルが多いのですが、Aさんの滞在先もそうでした。朝はシリアルとオレンジジュース、夜はホストマザーが作ってくれたものをレンジで温めて自分で食べるスタイルです。ファミリーと一緒に食卓を囲むものだと思いきや、自分だけ別に食べるということに驚きました。

夕食の内容は、お肉やポテトがメインで、野菜は冷凍食品のグリーンピースが少し。日本での野菜を中心とした食生活とはまったく違う内容であったため、あまり食が進みませんでした。シャワーの時間も1人10分と決まっており、10分を少しでも過ぎるとホストマザーからノックされてしまいます。日本ではバスタイムが癒やしの時間だったというAさん。リラックスするどころか、ストレスに感じるようになってしまいました。

そもそも英語が通じないこと自体がストレスなのに、こうした環境の変化に適応できず、ホームシックに。体重も、5キログラムほど減ってしまいました。

唯一の救いは、現地のコインランドリーで知り合った日本人の友人です。彼女はもう1年以上現地でデザインの勉強をしているということで、街の歩き方や安くておいしいレストランなどを教えてくれました。

結局Aさんは、留学開始から2カ月が経った頃に、その友人の紹介でルームシェアに移ることを決断しました。以降は体調も回復し、留学生活を無事に最後まで続けることができました。

普段ドラマや映画でも目にする機会が多いアメリカ。そこで取り上げられるのはどうしてもアメリカのきれいな部分が多いため、いざ現地に行ってみると、貧富の差の大きさや、生活の不便さといった「繁栄するアメリカ」のイメージとのギャップに苦しむことがよくあります。逆に、アメリカ人が来日すると日本のコンビニの品ぞろえのよさや自動販売機の充実度に驚くこともあるそうです。

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