加熱式たばこ「アイコス」、人気沸騰の舞台裏 全国で品薄、ネットでも限定カラーが暴騰中
アイコスで残念なのは、口から出る水蒸気には若干のニコチンとグリセリンが含まれてしまうようなので、副流煙問題はクエスチョンマークといえること。そのため既存の規制上では、「パイプ製品」に分類され、喫煙所での使用となっている。パイプ製品に分類されているので、タールやニコチンの値の測定方法が確立されてなく、法令上の表示義務もないから、従来のたばこのように数値を出せないとのことである。
タールが出ないゆえ、リビングなどで吸っても、壁が黄ばんだりはしない。灰も出ないが吸殻は残るので、灰皿は必要であり、もちろんポイ捨ては厳禁だ。この商品のコンセプトが微妙な立ち位置となるからか、受動喫煙防止法関係では地方自治体ごとに解釈の違いがある。九州などでは路上喫煙から除外しているようだが、結局、それぞれの自治体に合わせるしかない。
たばこを吸うという行為は、煙か蒸気かの違いで、物理的にはたばこで合っているのだが、燃やしてはいないので煙=タールは出ない。難しい判断だろう。ただ、米国の医師などによれば、ニコチンは依存症を引き起こし、発達途上にある若者の脳に害を及ぼすおそれがあるとしており、依存症には注意と警告している。
ネットでは1万5000円から2万円も!
厚生労働省は目下、2020年に開催する東京五輪に向けて、非喫煙者の受動喫煙を予防するため、飲食店での喫煙を原則禁止する法案を検討している。この法案では加熱式たばこについて、「現時点で健康リスクが科学的に判明していない」との見解がある。健康への影響が認められれば、規制対象とする方針を示しており、先行きは依然として不透明だ。
仮に、加熱式たばこが法案の対象外となれば、普及するにあたって相当の起爆剤となる。もっとも筆者は、加熱式たばこも完全にニコチン入りの副流煙が出ないわけではないため、既存のたばこと同じ扱いをするべきと考える。実際、吸引前には加熱用スティックをバッテリーに差して充電するが、この際には発熱した煙も出てしまう。
ちなみにアイコスは品薄状態なのに、ネットではたくさん売られ、「転売目的の購入が横行しているのではないか」との指摘がある。
前述のとおり、価格は標準キット9980円だが、アイコスのHPで会員登録後、QRコードで3000円OFFのクーポンをゲットすれば、実質的に6980円で割り引き購入できる。とはいえ、実態としては都内のコンビニでも月に数個程度しか入荷しないレベルで、全国にまだ潤沢には出回っていない。
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