給与明細で「手取り」だけ見る人は損している 何が「天引き」されているかをご存じですか?

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では、割増率はどのように計算すればいいのでしょうか。ここで1つ質問があります。月給制で給与をもらっている場合、みなさんの労働の「時間単価」がいくらになるかご存じですか? 時間単価の計算方法は、各社において賃金規程でルールが定められていると思いますが、一般的には、基本給に通勤手当や固定残業手当を除く諸手当を足した総額を、月平均所定労働時間で割った金額となります。

一見給与が高く見える場合でも、固定残業手当が多いと時間単価は思った以上に低く、なかには最低賃金を下回っていることがあります。ちなみに、東京都の最低賃金は2017年4月現在で932円です。

自分の時間単価がわかったところで、次に確認したいのは、正しい割増率で計算されているかどうか。残業と一口にいっても、法定内・法定外で変わります。たとえば、9時から5時まで、1日所定労働時間が7時間の会社の場合、1時間残業したとしても、法定労働時間(1日8時間)を超えていないので、割増は不要です。仮に時間単価が1000円であれば、1000円の支払いでよいわけです。ただ、午後7時まで残業するような場合は、労働時間が法定労働時間を1時間オーバーするので、その1時間分については2割5分以上の割増が必要となり、1250円を支払う必要があります。ちりも積もれば山となります。正しい割増率を理解しておくことが大切です。

「健康保険料」がやけに高いのはなぜ?

最後のポイントが控除項目です。一般的に給与から天引きされているものは、所得税、住民税といった「税金」と、「各種保険料」です。

さて、ここでまた質問です。いったい、あなたの給与から、何種類の保険料が徴収されているかご存じですか? 40歳未満の方であれば、原則として3つあります。

正解は、健康保険料、厚生年金保険料、そして雇用保険料。40歳以上の方は、さらに介護保険料も天引きされています。明細を眺めてみると、厚生年金保険料に次いで健康保険料が高いことがわかります。いったい、健康保険料は私たちにとってどのような役割を果たしているのでしょうか。

健康保険は、業務外に病気やケガをしたときに利用できるサービスで、治療を受けるときや処方箋を購入する際に保険証を提出すれば、3割の自己負担で済ませることができます。それだけではありません。病気やケガで仕事を連続3日以上休まなくてはならないときは、4日目から支給される「傷病手当金」や、産前産後休業中に働けないときにもらえる「出産手当金」も健康保険制度の給付金です。

傷病手当金は、医師が労務不能だと証明すれば、自宅療養であっても認められますので、インフルエンザが長引いてしまったような場合でも対象となります。仮に、支給開始日以前の1年間において、ずっと給与が30万円で変わらないとした場合、1日あたりにもらえる金額は6670円です。

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