「私は3歳から父親の性虐待を受けて育った」 性犯罪被害者が訴える刑法改正の必要性

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東小雪さん

私は3歳から中学2年まで、父親からお風呂場で性虐待を受けて育ちました。何か変な感じ、嫌な感じがするという風に思っても、大好きなお父さんがすることだから、ただ、どうしたらいいかわからない気持ちで、何か違和感があってもそれを言うことができなかった。

母親に「お父さんにやめてって言ってほしい」と一度だけ言ったことがありましたが、母はその時私に目を合わせてくれることはなく、幼いながらに「あっこれは言ってはいけないことなんだ」と強烈に思ったことを今でも覚えています。

小学校3年生になると被害がさらに悪化して、性器を挿入されるようになったのだと思います。思います、というのは、あまりのショックで「乖離」という状態になり、今でも時系列などが正確でなかったり、上から眺めているような光景が頭の中にあるからです。

そして、被害が非常に深刻なものになってからは学校に行けなくなり、拒食症になったり、視野狭窄や難聴になったりしました。親子で児童精神科を受診しても誰も本当の理由に気づいてくれず、被害を受け続けました。「もっと早く助けてほしかった」という思いが大人になった今の私にはあります。

20代中頃から、PTSDの症状で非常に苦しみました。精神科に入退院、自殺未遂を繰り返しました。リストカットや精神障害、処方薬の依存に苦しみました。自分はどうしてこんなひどい症状がでるのだろう?と思ったのですが、強烈なフラッシュバックが起きて本当に怖い思いをして、お風呂がトリガーになることもしばしばありました。混乱した状態でした。20代後半に、支えてくれるパートナーと出会い、専門のカウンセリングを受けて私は自分を取り戻しました。

親以外の人から愛情をいただいて、今の私があると感謝しています。ですが、幸運があったからサバイブできたというのではダメなんです。見えない、語られない、言えない、子供への性虐待は本当にたくさん起こっています。本当にないことのようにされていますが、ものすごくたくさんの被害者がいます。大人になってから深刻な傷を残します。子供への被害を止めないといけない。加害者を罰しないといけない。そうでないとこの被害はなくなりません。私のような被害者の声に耳を傾けてほしい。

現行の性犯罪の法律では、13歳以上であれば、加害者からの暴行や脅迫がないと性犯罪とはみなされない。あまりに現実と違うことに驚きました。私は3歳から、父親に被害を受け続けていたので家庭の中ではそれが日常でした。暴行や脅迫がなくても小さな頃から被害を受け続けている子はいる。そして、私はどうやって抵抗することができたでしょうか。こうした要件が今でも残っていることに本当に悲しい気持ちがします。

今も被害を受けている子がいる。大人として見過ごしてはいけません。この規定が110年ぶりに改正されるという節目なんです。共謀罪が先に審議されることで本当に落胆しています。少しでも現実に即したものに変えるチャンスを逃さないで、と心からお願いしたいです。

2つ目の理由:今の刑法では性犯罪は親告罪

また、現在の刑法で、強姦罪・強制わいせつ罪は親告罪となっている。被害者の告訴がなければ起訴できない。

しかし警察による捜査の現場や、その他の場面で、女優・映画監督の水井真希さんは、被害者に対して告訴をさせないような実質的な働きかけが行われていたと語る。また、実際の被害件数より少なくカウントされることで、性犯罪の重大性が伝わらない側面があると訴える。

改正案では、被害者の告訴がなくても加害者を起訴できる「非親告罪」化が盛り込まれている。

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