「私は3歳から父親の性虐待を受けて育った」 性犯罪被害者が訴える刑法改正の必要性
私は、10代の頃に拉致されたことがあります。通りすがりの男の人に、首に刃物を当てられて、車で連れ去られました。その男のところに1晩いて、強姦はありませんでしたが、強制わいせつの被害にあいました。
なかなか自分自身でもそのことを受け止めることができなくて、警察に届け出ることができませんでした。そして、届けたあと、しばらくして犯人は逮捕され、裁判の時に、私のあとにも被害者がいたということがわかりました。
15年間で40回ほど性犯罪の被害を受けた
よく世の中で「日本は安全な国だ、性犯罪なんてそうそう起きない」なんて言われたり、インターネットでもそういう風に言われるのを目にします。でも私はこの15年間で40回ぐらい、性犯罪の被害を受けています。電車の中でのいわゆる痴漢とか、帰り道に男に襲われるとか、被害にあっているので、人間1人が15年で40回ってものすごい頻度。なんで「そんなにあるわけないじゃん」とか、思われるのか?全くわからないなって思ってます。
でも、私がその40回のうち、警察を呼んだのはその半分以下で、書類を書いてもらったのはさらにその半分以下なんです。なぜ書類を書いてくれないか。家の近くで男に襲われた時に私はすごく大きな悲鳴をあげて、男はその場から逃げて行きました。表に出てきた近所の人のどなたかが、110番通報してくれて、警察が来たんですが、犯人は逃げていて、物的証拠もたいしてない。そういう中で警察官は、「これ、被害届書きます?もし書きたいなら明日警察署来てください」って面倒臭そうに言ってすぐ帰っちゃったんです。だから私の被害は世の中の性犯罪被害として、カウントされなかったんだと思います。
強姦罪・強制わいせつ罪の認知件数は、年間約8000件だそうです。私のような被害がそのカウントに含まれていないから、「交通事故の方が多いんじゃない?」ってなるんじゃないでしょうか。
性犯罪は親告罪になっていますよね。だから、被害にあった人自身がこれを届け出ませんと言えば、被害が発生したことにならない。だから警察も裁判所も仕事が減る。っていう風に、口には出さなくてもみんなそういう風にしているんじゃないかと私は受け止めました。
だから、非親告罪化することは非常に重要で、日々のニュースを普通に見ている人が「日本って以外と性犯罪って多いんだな」と気づいてもらえると思います。