「あなたのことはそれほど」が映す不倫の現実 のめり込む男女の心理と「ごまかし」「見破り」

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美都も負けていません。光軌から暗に「美都の家へ行きたい」と求められたとき、「うちはダメ。同居人がいるから。2人のほうが広いところ借りれるから(ルームシェアしている)」と不可抗力と思わせるうそをついていました。

3話以降では、涼太や麗華が不倫を見破るテクニックや、疑惑を追及する方法なども見られるでしょう。つまりこのドラマは、「不倫したい人がそのごまかし方を、不倫されたくない人がその見破り方を学べる」という見方もできるのです。もちろん、不倫している人がこれらのテクニックを使ったところで、「不倫を円満に続けられる」「家族にバレない」という保証はありません。

不倫ドラマは「ファンタジー」だから面白い

今後の見どころは、早くも美都のうそに気づいた涼太の変貌ぶり。子づくりを迫るほか、狂気的な愛で美都を縛ろうとする姿が描かれるでしょう。そして、涼太と麗華が不倫の事実を知ったあとにどんな行動を取るのか? 怒りと嫉妬の炎が燃え上がるのか? その姿に注目が集まるでしょう。

最後に、不倫をされた人のエピソードを紹介します。

相談者の博史さん(仮名、41歳、金融管理職)は、妻・洋美さん(仮名、36歳、主婦)の携帯電話を見て不倫を知りました。博史さんは怒りに震えながらも、相手夫婦を交えた4人で会って話し合うことを提案。しかし、話し合いの場で、不倫相手・光雄さん(35歳)の妻・純さん(32歳)も夫の裏切りを知っていたことが明らかになりました。

純さんは「夫の不倫を知ったうえで泳がせていた」ようなのですが、不倫された女性にはこういう行動を取る人も多いようです。しかし、純さんのように「ただ悔しさをこらえる」女性ばかりではなく、「ひそかに復讐の準備を整えていた」というケースもよく聞くので、男性の皆さんは自分の妻を甘く見ないほうがいいかもしれません。

ちなみに、話し合いの場では、「お互いに連絡先を消し、2度と会わない」こと、「光雄さんは博史さんに、洋美さんは純さんに、それぞれ慰謝料を払う」こと、「相手を問わず、再び不倫をしたら1000万円の慰謝料を払って、離婚の決断を委ねる」ことが決められたそうです。

不倫をした美都と光軌、不倫をされた涼太と麗華。このドラマは、どの目線で見るのもOK。不倫を扱ったドラマは“ファンタジー”という前提のもとに、のぞき見するような感覚で見るのが醍醐味(だいごみ)ですが、ある意味、週刊誌で繰り返される不倫スクープよりも、リアルかつ刺激的かもしれません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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