「あなたのことはそれほど」が映す不倫の現実 のめり込む男女の心理と「ごまかし」「見破り」

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これが不倫にのめり込んでいる女性の心境。ワクワク、ドキドキ、ハラハラ……浮かれたり、不安になったり、身勝手なことを考えたり。隠しごとをしている背徳感もあり、とにかく起伏が激しいのです。一方、光軌のように「単なる遊び」という感覚で不倫しがちな男性は、ここまで感情の起伏が大きくありません。女性は不倫に恋を見いだしがちなため、必然的に感情の上下動が大きくなっていくのです。

相談者の剛さん(仮名、37歳、広告制作)は、部下の美砂さん(仮名、29歳、同)との不倫関係に戸惑っていました。剛さんは妻と子ども2人との生活を捨てる気はなく、「お互いに遊びのつもりだと思っていた」のに、美砂さんが本気になってしまったのです。美砂さんも結婚2年目であり、離婚までは考えていないものの、「剛さんとも別れたくない」と懇願。職場で毎日顔を合わせる都合上、むげにすることもできません。

剛さんへの処方箋は、「体の関係を絶ち、心は徐々にフェードアウトする」こと。性欲に任せてズルズルと体の関係を持つのではなく、きっぱりと絶つという姿勢が求められます。ただし、精神的な関係を絶つのはNG。感情の面では、美砂さんのことを気遣い、いたわりながら、ある程度の時間をかけて徐々にフェードアウトしたほうがいいのです。たとえば、セックスレスになった“夫婦”でも、“家族”としての心のつながりがあるように、不倫も“恋人”から“仲間”に変えることができればリスクを減らせるでしょう。

「不倫をごまかす、見破る」小技がズラリ

「あなたのことはそれほど」で、隠れた見どころとなっているのは、不倫を円滑に進めるためのプチテクニック。美都と上司の眼科医・花山(橋本じゅん)との会話には、不倫をごまかすコツが交じっています。

2話で紹介されたのは、「携帯の履歴はマメに削除」「うそには事実を少し交ぜるとバレにくい」の2点。涼太は妻の携帯をこっそり見ることが習慣になっていましたが、美都が花山の教えを守り、「携帯の履歴をすぐに消したことでバレずに済んだ」というシーンがありました。また、美都は、事実を交ぜたうそをつくことで涼太を納得させて光軌とのデートを実現し、自分でも「私、こんなにうそがうまかったんだ」と驚くほど効果があったのです。

不倫をごまかすためのテクニックは、それだけではありません。光軌が携帯電話のアドレス帳に、美都の名前を「三好物産」(三好は美都の旧姓)と入れるカモフラージュテクニックも見られました。さらに、光軌が美都の顔をまじまじと見ながら「三好ってこんなにかわいかったっけ?」と言ってメロメロにさせ、ホテルの部屋を出る直前に「そろそろ帰る」と妻にメールを送っていたのも、テクニックのひとつと言っていいでしょう。

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