独自集計!「監査法人の売上高」ランキング 東芝問題で注目が集まるプロ集団の業界地図

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このゾーンでは再編も起きている。直前決算期とその前の決算期の間で合併を経ている明治アークは、16位の明治(2015年3月期売上高5億6632万円)と19位のアーク(2015年6月期売上高4億8910万円)の合併だったものの、合併時期が2016年1月。合併効果は3カ月分に留まったため、旧明治と同順位の16位だ。

ただ、2016年7月に36位の聖橋(2015年3月期売上高2億9660万円)とも合併しており、2017年3月期はアークの合併効果が通年、聖橋の合併効果が9カ月分反映される。このため、2017年3月期は11位のひびきとほぼ拮抗、2018年3月期はひびきを上回る可能性がある。

至誠清新は、2015年10月の清新との合併効果が6カ月分反映し、旧至誠(2015年3月期売上高2億859万円)時代の56位から33位に順位を上げており、合併効果が通期で現れる2017年3月期は20位以内に上昇する可能性がある。

清陽は30位の九段(2015年3月期売上高3億5698万円)と2016年7月に合併しており、通期での寄与は2018年6月期からになるが、次の2017年6月期は6カ月分が寄与しただけで14~15位あたりまで、2018年6月期はさらにもう一つ順位を上げる可能性がある。

大手、準大手の寡占化がますます進む方向

一方、ビッグ4は2017年3月期も順位の変動には至らない可能性が高い。トップの新日本は、東芝グループの粉飾を見抜けず担当をはずれたことで、他の監査先も一部失っている。売上高にどの程度影響を与えるのかにもよるが、新日本が東芝から受け取っていた報酬は、非監査業務を含めても例年10億円前後で16年3月期は55億円。2位のトーマツとの差は100億円もあり、逆転のハードルは高い。

中堅以下の上場会社でも当たり前に海外に進出し、現地の言語、会計基準での会計書類作成を余儀なくされる。海外のネットワークが充実している大手、準大手の寡占化がますます進むことは間違いないだろう。

監査法人売上高ランキング(1~10位)
順位(前期) 監査法人名 全体の売上高 監査証明業務売上高 非監査証明業務売上高 直近決算期
1(1) 新日本# 106,482 85,024 21,457 16/6
2(2) トーマツ# 96,478 70,459 26,019 16/9
3(3) あずさ# 89,895 69,875 20,020 16/6
4(4) PwCあらた# 37,032 17,499 19,532 16/6
5(5) 太陽# 6,090 5,585 504 16/6
6(7) PwC京都 3,942 3,484 457 16/6
7(6) 東陽 3,901 3,759 141 16/6
8(10) 優成 2,397 1,883 514 16/3
9(9) 三優 2,227 2,076 150 16/6
10(8) 仰星 2,191 1,985 205 16/6
金額は百万円単位で切り捨て、#は有限責任監査法人
日本公認会計士協会「上場会社監査事務所登録情報」を基に筆者作成、2017年4月10日時点
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