安倍内閣に居並ぶ「更迭予備軍」も酷すぎる 1強政権に、こうもダメ大臣が増えたワケ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただ、野党側が追及する閣僚不祥事については、民進党も「すねに傷持つ身」だ。東日本大震災を受けて新たに復興相を創設したのは同党の前身の民主党政権。ところが菅直人内閣で初代復興相となった松本龍元環境相(65)=政界引退=は被災地視察時の異様な言動が問題となり、わずか9日で辞任した。また、野田佳彦内閣で経済産業相に就任した鉢呂吉雄氏(69)=参院北海道=も福島原発事故被災地の視察後の記者会見で、福島原発周辺について「まるで死の街」などと発言し、こちらもわずか1週間で辞任した。このため、野党内でも「民進党が厳しく追及するとブーメランになって首相に反撃の余地を与えかねない」(共産党国対)との不安も広がる。

解散よりも、「嵐が過ぎ去るのを待つ」構え

一方、今村氏の前任の復興相だった高木毅衆院議員(61)=福井2区=は過去に起こしたとされる「下着泥棒」事件を国会で追及され、被災地からは「復興相は問題のある人物ばかり」との不満も生んだ。第1次政権で不祥事による交代が続いて首相退陣の遠因ともなった農水相に代わり、現在は復興相が「鬼門のポスト」となりつつある。

与党内には「人心一新」を狙っての今国会解散による都議選との「7・2ダブル選」説もあるが、不祥事続きの「安倍チルドレン」も含め、政権内では「長期化する1強政権のひずみによる不祥事が首相のクビをじわじわと絞め始めている」(自民長老)ことから「当分はじっとして嵐が過ぎ去るのを待つしかない」(首相周辺)との声が大勢だ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事