自民・公明の連立に「すきま風」が吹きすさぶ 「錨(いかり)」が「怒り」に変わる時が来るのか
「森友学園」一色の国会攻防の陰で「風雪に耐えて連立を守ってきた」(山口那津男公明党代表)はずの自民、公明両党の"すきま風"が永田町にざわめきを広げている。今年の政局の焦点とされている7月の東京都議選での「自公離反」や、後半国会の焦点となる「共謀罪」の審議をめぐる軋轢などが原因だ。年度末の3月30日、安倍晋三首相と山口代表は首相官邸の庭の桜の木の下でにこやかに握手してみせたものの、ここにきて両党間での相次ぐトラブルが巨大与党の"ほころび"を際立たせている。
公明党は「3連ポスター」で小池新党と共闘
首相や二階俊博幹事長ら自民党首脳の怒りを買ったのが都議選での公明党の対応だ。2月5日の千代田区長選圧勝で勢いづいた小池百合子都知事は、自らが立ち上げた地域政党「都民ファーストの会(小池新党)」の公認候補で都議会過半数(64議席)を狙う構えだが、都議会公明党は3月13日に小池新党との「政策協定」を結び、「小池与党」の立場を鮮明にした。続いて、3月下旬には山口代表と都議選同党候補者と小池知事の写真を並べたいわゆる「3連ポスター」を作成した。都議選では候補者を相互に推薦する方針だ。
「小池旋風」が吹き荒れる都議会では、昨年暮れに公明党が自民党との「連携解消」を宣言したが、国政レベルでの「自公連立」については「まったく変わらない」(公明幹部)と力説してきた。しかし、都議選での小池知事との共闘はこれまでの自公関係から見ても「重大な裏切り」(自民幹部)で、「政策での対立なら妥協はできるが、選挙での対立は許せない」(同)のは当然だ。
しかも、「公明党から事前の根回しもなかった」(自民都連)ことに自民党執行部も激怒し、「小池・公明共闘」が発表された翌日に首相と二階幹事長らが協議した結果、「公明抜きで戦ういい機会だ。自民党の底力を示す」と対決姿勢を明確にした。両党の都連幹部は「これで、都議選の応援では首相と山口代表が敵味方に分かれて街宣車で対決することになる」(自民)と頭を抱え、二階氏は「(次の衆院選も)自民単独で戦う気持ちを持って準備に励んでいる」と語った。
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