森友事件第2幕は「保守主義者の刺し合い」だ 籠池氏はこれからも政権を揺さぶり続ける
森友学園問題は、籠池泰典理事長が小学校認可申請を取り下げたことで終息するかと思われたが、意外な展開を見せている。籠池氏が政権を揺さぶる行動に出ているからだ。
まずは3月10日以降のドラマを振り返っておこう。
森友学園は莫大な負債を抱えることに
「苦渋の決断でありました。涙が出るような気持ちでありました。なぜここまでされるか。日本国を良くしようとするこの教育機関を、なんで見守って造り上げてくれなかったのかという思いがいっぱいであります」
3月10日午後5時半、籠池氏は長男の佳茂氏とともに塚本幼稚園(大阪市淀川区)で会見した。
会見冒頭で述べられた籠池氏の言葉には、その端々で苦渋が感じられた。大阪府豊中市で建設中の瑞穂の國記念小學院を断念することは、莫大な負債を背負うことを意味するからだ。15億円にのぼるといわれる建設費は、まだ4億円しか建設会社に支払われていなかった。すでに受領した国土交通省からの補助金5600万円なども、返還しなければならない。
購入した国有地は契約によって現状回復(更地化)して国に返還しなければならず、解体費用として1億円近くかかる見込みだ。“仮置き”したゴミを含んだ土壌は、約3000万円の処理費用が必要と見られている。
しかも大阪府私立学校審議会でも問題視されたように、森友学園の財務基盤は良好とはいえない。「私はここでいったん下がりましたが、また再びチャレンジはさせていただきます」という再起を誓う籠池氏の言葉を、「ただの強がり」として受け取った人は多かったに違いない。
並みのドラマであればこれで幕引きになるだろう。だが今回はこれで終わらなかった。
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