森友事件第2幕は「保守主義者の刺し合い」だ 籠池氏はこれからも政権を揺さぶり続ける
「籠池氏との顧問契約については、平成16年10月に夫の稲田龍示が締結し、平成21年8月ごろに終了しております」
これから推察するに、顧問契約は期間満了で円満に終了したわけではないようだ。加えて契約終了時点が曖昧である点も、不自然さが感じられる。
もっとも以前から稲田氏の周辺では、籠池氏の存在はあまり評価されなかったようだ。稲田氏の関係者がこう語ったことがある。「籠池氏は稲田氏を支援する女性の間で問題視されていたようで、パーティーにも声をかけようかどうか、稲田氏の事務所が悩んでいた」。
よって稲田氏にとって籠池氏(および籠池夫人)は、記憶から消したい人物だったに違いない。そしてその思いは今になって、たとえ自分の政治生命を危うくするものであっても、いっそう強まってしまったと思われる。
また籠池氏は、財務省にも“爆弾”を投げている。「当初、事件が勃発してから、しばらく身を隠していたんですよ」と述べ、財務省に命じられて10日間“雲隠れ”していたことを明かしたのだ。これが事実なら、財務省は不正行為を隠蔽しようとしたことになり、一連の問題の“主犯”となりかねない。
だが佐川宣寿理財局長は国会で、「隠れてくれと言った事実はない」と一貫して否定。財務省から籠池氏にそれを伝えたとされた酒井康生弁護士も15日夜、「学校法人森友学園を巡る一部報道について」と題する文書で「事実誤認」と断言し、森友学園の顧問弁護士を辞任した。籠池氏は爆弾を投げて地雷を踏んだ格好になっている。
いったい何が真実なのか
しかしそんなことでは籠池氏はひるまない。15日午後に有楽町の外国特派員協会で予定されていた会見をキャンセルしたものの、「せっかくの航空チケットがもったいない」と同日に上京し、メディアを振り回した。自民府議団が打診した参考人招致にも、当初は出頭を快諾しながらも6時間後には一転して拒否している。
いったい何が真実なのか理解不能な籠池氏の行動だが、しかしてその実情は保守主義者同士のやぶれかぶれの刺し合いか、それとも大疑獄の端緒なのか。いずれにしろ、深い闇がそこにあるのは間違いない。
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