森友事件第2幕は「保守主義者の刺し合い」だ 籠池氏はこれからも政権を揺さぶり続ける
まず政府が不可解な行動に出た。籠池氏の会見にかぶせるように午後6時、南スーダンPKO部隊の撤退を突然発表したのだ。
「なぜこのタイミングに?」「地上波で見せたくないものがあるのだろうか?」――疑問の声が次々に上がるのも無理もなかった。各局のニュースは籠池氏の顔から一斉に安倍晋三首相のぶら下がりの映像に変わり、その発表は当然「籠池会見隠し」に見えたからだ。またこの発表は、森友学園問題の影響で支持率が下落すると見られた世論対策も兼ねていたかもしれない。たとえばNHKは3月10日から12日にかけて、また朝日新聞は11日と12日に世論調査を実施している。
籠池夫妻も黙って引き下がらなかった。週明けに行われた塚本幼稚園の修了式で、次々と“爆弾”を投下してみせたのだ。塚本幼稚園の籠池諄子副園長は、森友学園との関係を否定した稲田朋美防衛大臣への苦言を長々と連ねている。
「保守の人は誰も助けに来なかった」
「稲田朋美さんがですね、国会で『籠池さんのことは知らん』と言ったのは、ちょっと頭にきたんですね。だって国会議員が国会でウソをついて、防衛大臣どうやって国を守れるんですか」
「10年前からつきあって、2年前に園長会議が自民党であった時にいましたよ。私はあの人嫌いですから話はしませんでしたけど、園長は話をしていましたよ」
「ほんまにおニャンコちゃんですよ。自分が答弁に立ってやれなかったら、安倍首相が代弁したりですね。そんなんで防衛できひんやありませんか、ちがいません?」
籠池氏も「保守の人は誰も助けに来なかった」と恨み節を炸裂させたが、その対象が稲田氏であることは明らかだ。
では稲田氏と森友学園はなぜ絶縁したのか。その理由は稲田氏が「10年前に大変失礼なことをされてから、関係を絶っている」と述べるのみで、具体的内容について触れていない。もっとも稲田氏が3月14日の衆院本会議で森友学園との関与を否定した国会答弁を訂正したが、その弁明からその事情を垣間見ることができる。
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