深まる疑惑、「籠池政局」は長期化しかねない 何一つスッキリしないのはなぜなのか

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23日18時から行われた外国人記者協会での籠池泰典氏。その表情には余裕もあった(写真:日刊スポーツ/アフロ

森友学園の籠池泰典理事長に対する証人喚問が3月23日、衆参両院で行われた。証人喚問は憲法が第62条で保障する国政調査権に基づき各院に付与された強力な権限だが、これでもって一体何が明らかにされたのか。

「安倍総理のほうには直接一切お願いしたことはない。安倍昭恵夫人を通じて、いろいろなことをご相談申し上げたことはある」

参議院側で行われた午前の証人喚問で、籠池氏は自民党の西田昌司参議院議員の質問に対し、こう答えている。自分を「しつこい人」として斬り捨てた安倍晋三首相ではなく、昭恵夫人を”ターゲット”にするという宣言にも読みとれる。

「首相に対する侮辱だから」

今回の証人喚問の最大の焦点は「100万円問題」だろう。籠池氏の参考人招致すら渋っていた自民党が一転し、私人をいきなりより厳しい証人喚問すると決断したのは、籠池氏が「昭恵夫人から『安倍晋三からです』と100万円もらった」と発言したことが原因だ。証人喚問を提案した竹下亘自民党国対委員長は、その動機として「(籠池氏を)たださなければいけないという思いは強く持っている。首相に対する侮辱だからしっかりと受け止めなければならない」と語っている。

さて、籠池氏によれば昭恵夫人との100万円をめぐるやりとりは、以下のようになる。

「昭恵夫人に瑞穂の國記念小學院の名誉校長に就任していただいたのは、平成27年(2015年)9月5日に御講演を賜ったときのことです。その9月5日、昭恵夫人はご講演の控室として使用していただいた園長室で私と対面していただいたとき、同行していたお付きの方に席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で『ひとりでさせてすみません。どうぞ安倍信三からです』とおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円を下さった」

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