ネスレ「アイスコーヒーサーバー」の深謀遠慮 家庭で楽しむ「泡立つコーヒー」の魅力とは?

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同社はこれまでにも「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」「ネスカフェ ドルチェ グスト」といった家庭用コーヒーマシンを販売しており、好調な売れ行きを記録している。前者は累計出荷台数380万台以上でシェア1位を獲得、後者は世界で3000万台、国内に限っても220万台を出荷している。そうした背景があるため、アイスコーヒーサーバーにも自ずと大きな期待が掛かる。

今回発売したアイスコーヒーサーバーの前身となったのが、2016年に無料レンタルのサービスを開始したオフィス用アイスコーヒーサーバーだ。「職場でもアイスコーヒーを飲みたいが、冷蔵庫がない、氷が作れないといったオフィスでの課題がありました。その課題解決を目指してサービスを開始したものです」(永田部長)。

この「ネスカフェ アイスコーヒーサーバー」は、冷却・保冷機能を搭載しており、規格に対応するペットボトル入りのアイスコーヒーをセットすると、いつでも冷たいアイスコーヒーが飲めるという製品だ。なおネスレ日本では「ネスカフェ アンバサダー」制度という、コーヒーマシンの無料レンタルサービスを2012年に開始しており、同サービスへの応募者数はこれまでで約30万人に上る。

今回発売の家庭用アイスコーヒーサーバーでは、泡立て機能をプラスしたほか、家庭のスペースに合わせてサイズダウンを図っている。

コーヒーを「撹拌」させて泡立たせる

このアイスコーヒーサーバーで作るコーヒーは前述の窒素ガスを利用して作る本格的なドラフトコーヒーとは製法が異なる。ガスボンベを使うガス式では家庭に普及させるのは難しいためだ。このサーバーでは、内部の部品が撹拌することでコーヒーが泡立つ仕組みになっている。そのため、同社では「ドラフトコーヒー」とはせず、「アイスクレマコーヒー」と名付けている。

サーバー内部にコーヒーを撹拌する部品が搭載されており、コーヒーが泡立つ仕組み(写真:編集部)

同社がこのアイスコーヒーサーバーと併せて、今回大々的に宣伝しているのが、2015年3月に発売した「ネスカフェゴールドブレンド コク深め ボトルコーヒー」(900ミリリットル、176円)だ。「さまざまなコーヒーを検討した結果、アイスクレマコーヒーに最適だと自信を持ってお勧めできます」(永田部長)。

厳鮮アロマキープ製法という独自技術による、香りと深いコクがあり、しっかりした味わいが特徴とのこと。アイスコーヒーとして売られているものには、氷を入れる前提で濃いめに作ってある製品が多いが、「このままで完成形として作っている」(永田部長)ため、氷を入れずに飲んだほうがよいという。だからこそ、冷却機能がついたアイスコーヒーサーバーで飲むことに意味があるのだそうだ。

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