ネスレ「アイスコーヒーサーバー」の深謀遠慮 家庭で楽しむ「泡立つコーヒー」の魅力とは?

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900ミリリットルのペットボトル分の高さを必要とするため、サーバーの高さが50センチ以上ある(写真:編集部)

気になるのが、実際に家庭に置いた場合の使い勝手だ。まず高さが50センチ以上あり、キッチンやリビングに置くにはやや大きすぎるのでは?という印象がある。また、泡を作る際の「ガーッ」という音をうるさいと感じる人もいるかもしれない。

ただし操作は極めて簡単だ。ボトルをセットし、レバーを押したり引いたりするだけでいい。内部の部品を取り外して洗うことができるのも、キレイ好きな人には安心だろう。

自宅に置いたときのサイズ感や使い勝手を試すなら、いきなり購入するよりも無料レンタルがいいかもしれない。ペットボトルコーヒーを3回分注文するとしても5000円足らず。「やっぱり自分には合わない」と思ったら、解約してサーバーを返却すればいい(送料はユーザー負担)。

ネスレの今後の狙いは?

今後の展開について永田部長は、「液体飲料の担当者としては、“コク深め”を徹底的に育てたい。これまでアイスコーヒーを家では飲まなかったが、この商品をきっかけに飲み始めたというお客様が多いのです。“アイスクレマコーヒー”で新規ユーザーを取り込んで、コーヒーの新しい価値を今後も提案していきたいと考えています」と語る。

このアイスクレマコーヒーを常時飲みたいか、と言われれば、そこまでは感じない人も多いだろう。しかし、「ドルチェ グスト」を使っているような人にとっては、冷たい飲み物が手軽に楽しめる点で、同製品の“夏バージョン”ととらえられるかもしれない。また、家庭用というよりはむしろ、オフィスでの需要にも期待できそうだ。

コーヒー市場においては、消費者の志向が多様化し、また、目まぐるしく変わっていく。供給側は、つねにいくつもの選択肢を用意して「次の一手」を考えておく必要がある。今回の「アイスクレマコーヒー」も、そのひとつと見ることができるだろう。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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