6)みさと(美里)【小海線】と女性的な駅名
高原列車として名高いJR小海線。小淵沢駅を出ると八ヶ岳山麓を走り、次に千曲川に沿って走るというように車窓は見飽きないが、佐久平で北陸新幹線と交差するあたりからは市街地となり、それほど車窓は楽しめなくなる。そんなときに美里駅が現れ、今度は駅名に引かれる。さらに次の次が乙女(おとめ)駅。こちらは名前というより、そのロマンチックな響きでときめいてしまう人もいるだろう。
乙女と似たような感じの駅といえば、岐阜県内のJR太多線の姫(ひめ)駅を思い出す。女性的な名前の駅として挙げておきたい。
「あいこ」「たかこ」ではありません
7)愛子【仙山線】、孝子【南海本線】
ここまでに挙げた女子名は、どれも「子」が付かない。かつて女子名といえば、クラスの女の子の大半に「子」がつくという時代もあったので、昭和生まれとしては、「子」のつく駅名を探してみたくなる。
ところが、「子」の付く駅名は多々あるものの、銚子、笹子、益子、白子(近鉄名古屋線)、巣子(すご)(IGRいわて銀河鉄道)など、どれも女子名とは結びつかない駅名ばかりだ。
そんななか、やっと見つけたのが愛子駅と孝子駅。「あいこ」と「たかこ」と喜んだのもつかの間、愛子駅は「あやし」駅、孝子駅は「きょうし」駅と読む。前者は、宮城県にあるJR仙山線の駅、後者は大阪府最南端に位置する南海本線の駅で、女子名とは無縁だった。もっとも、漢字だけみると女子名と錯覚するので、愛子さんと孝子さんは訪れてみてもいいかもしれない。
8)いずみ(泉)、さかえ(栄)など
泉は、女性名でもあるし男性名でもある。駅としては、JR常磐線と福島交通飯坂線の2カ所にある。常磐線の駅は、いわき駅から水戸方面へ向かって3つ目。ともに福島県内というところが興味深い。なお、泉さんという苗字もあるので、泉駅が気になる人は案外多いかもしれない。
水島臨海鉄道のところで取り上げた栄駅は、名古屋の中心部にもある。地下鉄東山線と名城線の交差する栄(さかえ)駅だ。栄も男女ともにある名前である。
北海道の釧網本線にある緑(みどり)駅。緑は女性に多い名前であるが、男子名としても存在する。1964年の東京オリンピックの頃、プロ野球阪神タイガースの投手として活躍したのが石川緑(いしかわ・みどり)。当時は誰もが知る選手であった。彼にあやかったのかどうかはわからないが、緑という名前の男性はいる。
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