ASUSスマホ、「コスパ最強」と言える深い理由 PCメーカーとして、日本市場を徹底分析した

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エイスースを率いるジョニー・シー(Jonney Shih)会長。日本市場を熟知する同社は次にどんな端末を投入するのだろうか(撮影:梅谷秀司)

現在は付加価値戦略を進めているが…

パソコンメーカーとしての強みを生かし、日本で成功を収めたエイスースだが、最近では課題も浮上している。昨年にインテルはAtomシリーズの終了を発表し、インテル製のCPUが使えなくなったのだ。

そのため、ZenFone 3以降、クアルコム製のCPUを中心に使用するようになったが、これは同時に他社メーカーと同じ土俵に立ったことを意味する。販売規模がモノを言う世界だけに、大手メーカーと比べて調達で不利な面が出てくるのは確かだろう。

そうした影響からか、エイスースは最近、従来の主力であるミドル・ローエンドだけでなく、ハイエンドモデルを増やすことでスマホの販売単価を上げる付加価値戦略を進めているように見える。日本では、格安スマホでも質の高い端末を欲するユーザー層が広がっていることもあり、その戦略がうまくマッチしているようだ。

ただ、ファーウェイなど大手メーカーと対抗し続けるうえでは、新たな戦略が求められるところ。日本市場を知り尽くしたエイスースは、次はどんな端末でユーザーを獲得するのか、中華系SIMフリースマホの競争にも、大きな影響を及ぼしそうだ。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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