ASUSスマホ、「コスパ最強」と言える深い理由 PCメーカーとして、日本市場を徹底分析した

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もちろん、エイスースのスマホが日本でヒットした理由はコストパフォーマンスだけではない。日本向けのローカライズに積極的に取り組んだことも、人気の大きな要因となっている。

外資系メーカーの多くが、市場規模が小さいSIMフリー向け端末のローカライズ(地域ニーズへの対応)を避ける傾向にある中、エイスースがそれに積極的に取り組んだのは、パソコンメーカーであることが大きく影響している。エイスースは日本で長い間パソコンなどの販売を手掛ける中で、独自のニーズを取り入れてローカライズを積極的に進めることこそが、販売拡大につながると学んだのだ。

パソコンとスマホの両方でノウハウを蓄積

スマホに関しても、「格安スマホ」という名前が生まれる前の2013年、エイスースは3G(第3世代の通信規格)による通話や通信が可能なタブレット「Fonepad」や、タブレットとスマホを合体できるユニークな仕組みを備えた「Padfone 2」などのSIMフリー端末を投入したことがある。

スマホで日本に進出する前の2013年、「Fonepad」などのSIMフリータブレットをいくつか投入し、日本市場の動向を見極めていた(著者撮影)

これらの販売動向からSIMフリー市場の成長性を見極めるとともに、詳しいニーズを把握するなど綿密なマーケティングを実施。このことは、その後、日本で販売する製品の選定やローカライズに大きく影響し、同社を成功へと導いた。

ヒット端末のZenFone 5では、日本以外ではあまり使われていないが、NTTドコモが主要な周波数帯の1つと位置づける「800メガヘルツ帯」にいち早く対応し、日本語入力システムにも実績の高い「ATOK」を採用。日本で快適に利用できる環境を整え、広く支持を集めた。

昨年も、ほかのSIMフリースマホメーカーに先駆けてKDDI(au)のネットワークに対応し、「UQ mobile」など、au系格安スマホ業者の躍進に貢献している。

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