「無印良品」が国内で順調に利益を伸ばすワケ 3万円超で激売れのコーヒーメーカーが牽引

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もちろん価格だけではない。同社の本来の強みである独自の商品開発が、国内事業の好調につながっている。

豆を均一にひくことができ、プロと同じ温度管理も出来る(写真:良品計画)

今年1月末に投入した「豆から挽けるコーヒーメーカー」。3万2千円(税込)という価格ながら、販売開始直後から品切れが相次いだ。生産ロットを拡大しても注文に追いつかず、7月末まで手に入らない現状という。

松﨑曉社長は「予約受付開始から4月9日までで、注文数が1万3千台に達した。我々が展開する電化製品で予約合計が4億円を超えるのは、メガヒット」と笑顔で話す。

同製品の特徴を一言で言えば「こだわり」だ。家電メーカーのツインバード工業と共同で開発し、コーヒー豆を均一にひくことのできるミルなど内部部品はすべて一から開発した。販売手法にもこだわりを見せ、家電製品では初めて予約販売を実施した。売り上げが好調なのはテレビでのパブリシティ効果も大きいが、単なる価格ではなく、付加価値の高さが評価された好例といえるだろう。

2ケタ成長をどこまで続けられるか

同社は決算発表と同時に2020年度までの4カ年中期経営計画を発表した。営業収益は2016年度比1.5倍の5000億円、営業利益は同57%増の600億円、全世界での店舗数1200を目標とする。2017年中にも国内の店舗数と海外の店舗数が逆転する公算だ。

国内店舗では改装・大型化に注力する。「標準的な店舗面積は200~300坪だが、既存店の改装に注力しつつ500坪の大型店舗を100店程度展開したい」(松﨑社長)。海外については、中国で年30店の積極出店を継続し、既存店の改装も続けていく。

目標の達成に向けた課題もある。店舗数の増えた海外でのオペレーション強化だ。今後は店舗から物流拠点、工場までの連携を強化し、商品の自動発注システムの導入も検討する。商品投入計画の精度を向上させ、在庫の効率化を進める狙いだ。商品力のさらなる強化に加え、海外の基盤強化が成長のためのカギといえそうだ。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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