英国で高視聴率たたき出す「田舎番組」の魔力

長寿番組「カントリーファイル」を支えるのは

英国の人気番組「カントリーファイル」撮影の様子。1989年から進行役を務めるクレーブン氏(写真:Andrew Testa/The New York Times)

イングランド南部の田園地帯。塀に囲まれた屋敷の庭には、弱い真冬の陽光が差し、小鳥のさえずりが聞こえていた。BBCの人気番組「カントリーファイル」の撮影は順調に進んでいる。

多くの英国人にとっては心の故郷

だが進行役のジョン・クレーブンが語り始めるや、頭上を飛行機が通過して撮影はストップ。その後も配達のトラックが来たり、チェーンソーや発電機の音がしたり、銃声が響いたりするたび、撮影は中断された。

英国の田園地帯はクレーブンの言葉を借りれば、ときに「すごくうるさい場所」のようだ。また、毎週日曜日の晩にこの番組を見ている多くの英国人にとっては心の故郷でもある。

田舎をめぐるさまざまな話題を取り上げる「カントリーファイル」は英国で今、最も視聴率を稼いでいるノンフィクション番組だ。近年、英国では熾烈な視聴率競争が繰り広げられており、昨年には裸の男女が登場する恋人探し番組が制作されたほどだ。

「思いつくほとんどあらゆる国と比べても、英国人は田園地帯に対して、ある種、自分がその主人であるかのような感情を抱いている」とクレーブンは撮影の合間に語った。

「実際には主人なんかじゃない――たいていの人はね――なのにまるでそこの主みたいな態度なんだ」

クレーブンはといえば、超人気番組の進行役にはちょっと見えない。現在76歳。まだテレビが白黒だった時代に放送業界で働き始めた彼は、子ども向けのニュース番組の司会を17年間にわたって務めていたおかげで、幅広い年代から親しまれている存在だ。1989年から「カントリーファイル」の進行役を務めている。

「カントリーファイル」には他にも進行役が何人かいるが、ほとんどは30歳代で、みんな自分の番組を見て育ったとクレーブンは言う。

「人生を通じてこの仕事をしてきた」と彼は言い、引退する予定はないと述べた。

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