上場企業でなければ、HPで業績や財務内容を開示していない場合がある。そうしたときには、民間の調査機関である、帝国データバンクや東京商工リサーチなどを利用してもいい。
その中には、さまざまな情報が掲載されているが、企業の総合評価である「評点」が重要だ。帝国データバンクも東京商工リサーチも、100点満点で点数を表示している。
帝国データバンクでは「景気の動向にも左右されるが、40点台の企業が最も多い」とのこと。40点を割る企業は避けたほうがよい。50点未満の企業には、D1~D4の評点が付けられていることもある。「D3」や「D4」の企業には気をつけたい。
一方、東京商工リサーチでは、30~49点が「一応警戒」、29点以下が「警戒」を意味する。50点未満は数字の代わりに、アルファベットが掲載されていることもある。
帝国データバンクや東京商工リサーチのデータは、会員になっていないと見ることができない。しかも法人しか契約できないので、就活生が個人会員になることはできない。だが、大学が会員契約していれば、図書館やキャリアセンターで閲覧できる。自分の大学に問い合わせてみよう。
大学が日経テレコンなどのビジネスデータサービスと契約していることもある。こうしたビジネスデータサービスを経由して、無料で帝国データバンクや東京商工リサーチにアクセスできることもある。
ブラック企業の見分け方とは?
それでは最後に、てるみくらぶのデータを基に、危ない企業の見分け方ではなく、ブラック企業の見分け方について解説する。注意してほしいのは「総従業員数」と「採用人数」のバランスだ。
てるみくらぶは、総従業員数80人に対して、入社予定数が50人もいた。従業員数の6割超の人数とはあまりにも多すぎる。早期退職を見越して大量採用していたとしか思えない。
国内ではメガバンクの採用数が多いが、総従業員数との比率で見れば、多すぎるということもない。たとえば、三井住友銀行は2017年4月に約1300人が入社したが、2016年3月期末の総従業員数は約2万8000人。新入社員数は総従業員数の5%にも満たない。
成長企業であれば、採用人数が多くなる傾向があるが、総従業員数の1割を超える場合は注意しよう。できるだけ多く採用し、短期間のうちに辞めさせてしまおうというケースも、まったくないとはいえない。
いずれにしても、学生一人ひとりにとっては、貴重な就活だ。企業を見抜く目を養っていて損はない。
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