ディズニーキャストが見た「理想のリーダー」

「感動」を分かち合うチームは結束力が強い

1時間ほどが過ぎた頃、そのお二人はわざわざ私のところまで戻ってきてくれました。その顔には、満面の笑みが浮かんでいました。「お姉ちゃん、ミッキーに会ってきたよ!」と、女の子が元気に私に言いました。男性からも、何度もお礼を言われました。

そしてまた、自分たちのことについて話してくださいました。その男性は、娘さんと離れて暮らしており、その日が大切な面会日であったこと。だからどうしても、娘の大好きなミッキーに会わせたかったこと――。

自然に褒め合う文化が生まれる

『3日で変わるディズニー流の育て方』(サンクチュアリ出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

その日の研修報告会で、私はリーダーに指名され、このエピソードをほかのキャストに対し報告しました。その際、感極まって泣いてしまったのですが、ほかのキャストもまた同じように共感し、涙を流してくれました。こうして本音を語り、素直に泣くことが許される職場というのは、今思えばとても貴重な場所でした。

このように感動をシェアすることで、個人に起こった卓越した経験を全体で共有することができます。これは心理学的には「代理体験」といい、仕事に対するモチベーションの源泉となる「自己効力感」を育み、ポジティブなチームをつくることにつながります。

あなたの職場では、「お客様に喜ばれたエピソード」を共有しているでしょうか。その際のポイントとなるのは、「鮮度」。本人の記憶が新しく、さらに感情移入して語れるうちに、ほかのスタッフの前で話す機会をつくってほしいと思います。当日または翌日の朝礼など、24時間以内のシェアが理想です。

これらを繰り返すことで、チーム内には自然に褒め合う文化が生まれ、各個人のモチベーションもどんどん上がってくるでしょう。ここで紹介した内容は、ディズニーだけの特別な話ではなく、どんな職場でも応用のきくものばかりです。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 岐路に立つ日本の財政
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT