英語が聞き取れない人に共通する5つの弱点 ただ英語を聞いているのは時間の無駄

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(2)正しい発音を知らない

単語も表現も知っているけれど、音では聞いたことがなかったり、自分の思い込んでいる発音が正しい発音と違ったりすると、聞き取れません。それもやはり、聞こえてくる音と、自分の中にある音とがうまくマッチングできないからです。このときには、「正しい発音をしっかり覚え直す」必要があります。

【効果的なトレーニング】

正しい発音を覚え直したいときには、音声を聞いてから真似をする「リピーティング」をしましょう。真似をしようと思って聞くことで、聞くときの精度、集中力がグンと上がります。また、どこが強くなるのか、どこが上がるのか、というアクセントやイントネーションの特徴がつかみやすくなります。

「英語の発音は大事ではない」と言う人もいますが、私は仕事で使える英語力を身に付けたい人には、発音に敏感になることを強くお勧めします。英語らしい発音を身に付けていくと、リスニングにもスピーキングにも効果が現れるからです。ただ、発音といっても、LとRの使い分けや、thの発音といった、「発音記号どおりに正しく言えること」よりも、アクセントやイントネーションなどの「英語の音の特徴をしっかりとらえること」のほうが、実は即効性があります。英文スクリプトにアクセントやイントネーションの特徴を書き込んで印象づけるのも効果的です。

英語の音に慣れるには?

(3)英語の音の特徴に慣れていない

アクセントやイントネーションをしっかりつけたり、リズミカルに話したりする英語特有の話し方自体に慣れていないと、英語を聞いたときに、どの部分に注目して聞けばいいのかわかりません。また、イントネーションの付け方によっては、同じ文章でも意図が変わることがあります。同じ “Why didn’t you do it?” でも、単に理由を聞かれている場合もあれば、責められている場合もあります。

【効果的なトレーニング】

こうした英語の音の特徴に慣れるためには、英文を見ながら聞いて繰り返す「リピーティング」、英文を見ながら音声と重ねて話す「オーバーラッピング」、英文を見ないで音声のすぐ後を真似して話していく「シャドーイング」のトレーニングが効果的です。

リピーティングでは、しっかり落ち着いて英語の音を聞き、真似をすることができます。オーバーラッピングでは、音声と重ねて話すので、イントネーションやリズムのずれが見つけやすく、自分の弱点を把握して集中的に練習することができます。シャドーイングでは、英文を見ないで音だけを聞いて真似するため、自分の思い込んでいる発音から離れて、聞いた音声の発音に近づけていくことができます。ですから、できるだけ自分が得意になりたい英語の音声に近いものを教材として使うのがお勧めです。

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