アップルが中核技術の支配を加速させている

将来の技術革新に備える決意の表れ

アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は2月の会議で「われわれは以前に比べ、基本的な技術の社内開発を大幅に増やした」と述べた。

大半の消費者向け電子機器メーカーは、チップの設計・開発を外部業者に頼っている。コストが極端に高いのが主な理由だ。

しかしアップルは非常に巨大化したため、自社で設計したり、小さな部分だけ他社とライセンス契約を結び、それを基に開発を進めていくことが経済的に見合うようになった。チップの実際の製造は今でも外部に委託している。

コスト削減

この分野に詳しい人々によると、社内設計を増やすと煩雑さを減らせるという利点がある。かつては1つかそれ以上の設計チームに加え、製作チームを管理していたのが、アップルは今や製作チームだけを管理すれば済むようになった。

この結果、仮想現実(VR)やARといった新しい技術分野で素早く身動きが取れ、コストも節約できるようになった。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は製品にARを組み込む計画を示唆しており、そうなるとイマジネーション社が提供しているような3Dセンサーやグラフィック・チップが極めて重要になる。

アイフォーンのチップを自社で設計できるようになれば、コストも抑えられる。新機能を満載した次期アイフォーンの発売を秋に控え、この点は非常に重要になってくる。

コーエン・アンド・カンパニーのティモシー・アーキュリ氏の調査ノートによると、例えば新型アイフォーンで予想される曲面スクリーンの導入により、コストは最大50ドルも増える。

FBNセキュリティーズのアナリスト、シェビル・セイラフィ氏の推計では、第1・四半期のアイフォーンの平均価格は695ドルと、1%しか上昇していないが、コストは8%上昇して420ドルとなり、粗利ざやは39.6%となった。2015年の平均44%から縮小している。

アップルがイマジネーション社のチップに払っているライセンス料は年間わずか7500万ドルだが、チップ設計業者向けのライセンス料をすべて合わせると、アイフォーンのコストを大きく押し上げている。

(Stephen Nellis記者)

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