(第3回)素敵な上司に共通すること

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(第3回)素敵な上司に共通すること

國貞克則

●人の上に立つ人の役割

 今回は、人の上に立つ人の役割について考えてみましょう。先ず質問です。人の上に立つ人と担当者との違いは何でしょうか?
 答えはいくつもあると思いますが、ひとつの答えとして、「担当者の成果や評価は本人のアウトプットによって決まるが、人の上に立つ人の成果や評価は他人のアウトプットによって決まる」ということがいえます。
 これは何もビジネスの世界だけの話ではありません。少し前の話ですが、星野監督が阪神を優勝させました。星野監督は投げているわけでも走っているわけでもありません。優勝できたのは選手のアウトプットのお陰です。なのに、阪神の優勝は星野監督の成果になるのです。つまり、星野監督の成果や評価は、選手という他人のアウトプットによって決まるのです。
 第2回のコラムで、ドラッカー氏の経営幹部の人たちへの質問として「あなたの仕事は何ですか?」という言葉を紹介しました。人の上に立つ人の大切な役目は、部下のやる気と能力を高めることだといいました。人の上に立つ人の仕事は部下のために何かを為すことなのです。

●身近にいる素敵な上司からわかること

 では私たちは部下のために何を為すべきなのでしょうか。素敵な上司になるために何を心掛けておけばよいのでしょう。一方的な定義や理論の提供より、まずは私たち自身がいままで接してきた素敵な上司たちがどんな人だったのかを考えてみましょう。
 私が行うマネジメント研修ではどこの会場でも参加者の皆さんに、いままで接してきた素敵な上司がどんな行動をとっていたか、どんな特徴を持っていたかを具体的に箇条書きしてもらいます。「人間味があった」などという抽象的な言葉ではなく、「人間味があった」と思えたのは、彼(もしくは彼女)がどんな行動をとり、どんな特徴を持っていたからなのかという観点で書いてもらいます。そして、何人かの人に書いた内容を発表してもらい、私が発表内容をホワイトボードに板書していきます。
 すると不思議なことに(というより当然なことかもしれませんが)、会社の規模や業種に関係なく、出てくる言葉はどこの会場でもほぼ同じです。その答えは表1のように大きく2つの種類に分類できます。

【表1<受講生の言葉>】
  強さ 優しさ
受講生の言葉 ビジョンが語れる、方向性がはっきりしている、目標が明確、信念を持っている、軸がぶれない、情熱がある、決断力、判断力、行動力、率先垂範、対外的な交渉力 話を最後まで聞いてくれる、相談にのってくれる、適切なアドバイスをくれる、信頼してくれる、親身、思いやり、優しい、叱ってくれる、困ったときは助けてくれる、一緒に考えてくれる、任せてくれる

 ひとつの種類は表の右側の、「話を最後まで聞いてくれる」とか「相談にのってくれる」とかといった、部下の立場に立った優しさに満ちた特徴です。
 では、優しいだけで部下がついてくるかというとそうではありません。優しさと同時に、「ビジョンが語れる」「方向性がはっきりしている」といった、ドーンと一本通ったぶれない軸のような強さや逞しさを持っているのです。
 実は私たちは、素敵な上司になるために何が大切なのかをすでに知っているのです。もちろん、人によって多少意見の違いはあるでしょうが、10人ほどの人が集まって議論すれば、素敵な上司に共通することはどこでも同じなのです。

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