グーグルの働き方を変えたテクノロジー3つ 使いこなせばもっと柔軟に働けるようになる

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イノベーションは、与えられたことをやっているだけではなかなか生まれない。むしろ多様な人生、いろんな生活の楽しみ、いろいろな人との触れ合いがあって、可能性が増してくる。スマートな働き方になれば一人ひとりがもっと多様な人生を過ごせるようにもなる。

ダイバーシティがイノベーションをもたらす

──女性へのサポートにもなる。

岩村水樹(いわむら みき)/マネージングディレクター、アジア太平洋地域ブランド&マーケティング担当兼務。東京大学を卒業、フルブライト奨学生として米スタンフォード大学でMBA を取得。2007年グーグル入社。テクノロジーで女性を支援する働き方改革「Women Will」「Women@Google Japan」プロジェクトを推進(撮影:大澤 誠)

家庭と両立できず、出産したらとかく仕事を辞めざるをえなかった。介護の問題に直面すれば働けなくもなる。今は選択肢が増えて、プロボノワークに情熱を傾けたいといった動きも盛んになり始めた。そういう人も仕事をあきらめなくていい。ダイバーシティが尊重されていい。いろいろな経験を基にした視点が持ち込まれることで、仕事上のイノベーションも生まれやすくなる。

グーグルはダイバーシティがイノベーションをもたらすと考えている。人種、性別ばかりでなく、それぞれ違うライフスタイルや考え方を持つ、その多様性を大事にしている。ダイバーシティが自由に発揮される環境が担保されてこそ、「世の中をよくする」という自社のカルチャーが発揮できるからだ。

──グーグルだからできる?

そういう感想が出がちだが、日本の企業でも生かしてほしい。イノベーションが信条というカルチャーと、テクノロジーを使うところが重要な要素であり、日本という環境の中でどうやって実践していくのか。

単にテクノロジーだけを導入しても日本の会社は活用できない。活用できるカルチャーを作るにはどうしたらいいか。グーグルでの経験、Women Willにおける日本の企業・組織31の実証実験で、実際に働き方改革にはどのような必要条件があるか、明らかになってきた。

──具体的に、ポイントとなるテクノロジーのツールとは。

主なものは3つある。ビデオカンファレンス、オンラインカレンダー、それにクラウド上での共同編集。これらを導入すれば、「在宅で仕事をする」「会議の無駄を減らす」、さらに「決めた時間に帰る」ことへの効果はてきめんだ。たとえばビデオカンファレンス。専用機器があればベストだが、そうでなくてもパソコンやスマートフォンがあれば誰でもどこででも会議に参加できる。これにより在宅参加という柔軟性のある働き方ができれば、多くの人が働き続けられる。

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