東京ドームの母が、「野心」を脱いだ理由 モーレツ社員時代のプライドは捨てた!

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それでも、やはり岩瀬さんは仕事の鬼だ。育休中は、仕事のためのリサーチと子どもへのサービスを兼ねて、児童館から親子カフェ、キッズ施設など、あらゆる子ども遊戯施設に足を運んだ。

そこで、「アソボ~ノ!」のコンセプト「家族力がアップする施設」という発想に行きつくことになる。

「親子カフェやキッズ施設の中には、子どもと親の過ごすエリアが別々のところが多くありました。せっかくの休日を親子で過ごすのに、両者がセパレートしているなんて、どういうこと?と思いましたね」

女の子に大人気の「アソボ~ノ!」のままごとエリア

こうした岩瀬さんの実際の育児経験からもたらされる「ユーザー目線」が、アソボ~ノ!の開発にはふんだんに生かされれた。

施設の原型は、岩瀬さんが紙にペンで書いた。親と子どもがこぞって楽しめるのはもちろんのこと、知育できるオモチャで遊べるコーナーもあったほうがいいなと。教育的なおもちゃの展開で知られる「ボーネルンド」に直接交渉し、(設計とデザインの監修、および企画協力で)参画してもらった。

こうして、似たような施設は海外でもどこにもない、唯一無二の施設が誕生した。

不要なプライドを捨て、「コト」にこだわる

アソボ~ノ!がオープンしたのは、息子さんが3歳8カ月のときのことだ。繁忙期が子どものいちばん手がかかる時期に重なる苦労は、筆舌に尽くし難い。しかも、岩瀬さんは、子どもと過ごす時間を大切にするため、短時間勤務制度を選択し、夕方4時半には帰る生活にシフトしたから、勤務中はまさにてんてこ舞いだった。

それに加えて、息子さんは当時、病気がちで、「1週間、保育園に行くと2週間休む」といった具合だ。

この生活に対応していくために岩瀬さんは、「今までの自分」とは180度違う、「人にモノを頼める自分」に自分を改造していった。

「以前は、仕事は自分が納得するまでトコトンやるが基本スタンス。『いっぱい、いっぱいだから、助けて!』と、カッコ悪い自分を見せることはできない性分でした。でも、子育てと仕事を両立するためには、『人に頼ることができない自分のプライド』なんて必要ない、と考え直しました」

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