「Hello」の発音ひとつで人の見る目が変わる 一目おかれる「教養ある英語」を話すコツ
では、実際に「たしなみとしての英語の発音」にはどのようなものがあるのでしょうか。
「thの発音は、教養を感じさせる発音なので重要」と、私は企業の英語研修や大学講義、普段のレッスンで強調して伝えています。それは、thの発音は、「教養を感じさせる英語の発音」の代表格だからです。
しかも、このthの発音は頻出単語に含まれています。たとえば、think, the, this, that, father, mother, brother, mouth, month, withなど、枚挙にいとまがありません。 ですから、thの発音を整えるだけで、英語の発音の「印象」はガラッと変わります。
うれしいことに、発音の方法は意外に簡単で、舌を上下の前歯の間に挟み込み(少し強めにかむようにするのがコツです)、「シ」または「ジ」と言いながら舌を喉の奥に引き抜く感じです。
舌を挟む――というごく簡単なことで教養を感じさせることができるのですから、とりあえず、難しいことはさておき、挟んでしまいましょう!(舌を挟まないで発音する方法もありますが、これは舌を挟む方法に慣れてから挑戦することをお勧めします)
これはアメリカ英語にも共通していて、ぜひ読者のみなさんにはマスターしていただきたい発音のひとつです。ほかにもいろいろありますが、まずはここから始めてみてください。
イギリスのトップエリートたちが話す「RP」
さらに、世界のトップエリートたちが実際にどのような発音で話すのか、ちょっとのぞいてみましょう。
イギリスでは、「Received Pronunciation(RP)」と呼ばれる「容認発音」が標準発音とされています。BBCのアナウンサーの発音や、いわゆる「クイーンズイングリッシュ」はこれにあたります。
RPでは、単語の最後のrの音は発音されないという特徴があります。たとえば、carは「カー」と発音され、アメリカ英語にあるようないわゆる「rの巻き舌」音にはなりません。数字の4(four)、answer、afterも、それぞれ「フォー」「アーンサー」「アーフター」のように発音されます。
実は、rに関しては、RPのほうがカタカナ英語表記に近いので、日本人には扱いやすくお得な発音だといえるかもしれません。
私は、日本の学校でごく普通の英語教育を受けてきましたので、20歳頃まではアメリカ英語の発音を身に付けてきました。
その中で「rの音こそ英語らしい発音」だと思って、舌を巻きに巻いていたわけです。ですから、RPの発音を知ったときは、「舌を巻かなくてもよい英語があるなんて!」と驚いたことを思い出します。
このほかにも、askやchanceの「ア」の音は、口を大きめに開けて、長めに「アー」と発音するので、「アースク」や「チャーンス」のようになります。
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