超難関校の生徒はネットを真剣に考えている 鹿児島でのディベートを通じて感じたこと

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緊張の面持ちで質問に答える筆者(写真:グリー)

これも簡潔に答えると、たとえばこれまでは、選挙前の「票読み」って、投票の数日前には、もうかなり正確な得票数が読めるくらい、精度の高いものだったんですよ。それが近年、SNSの時代になって、まったく読めなくなっちゃった。前回の都知事選やトランプ当選がまさにそうです。開票結果を見て、選挙予想のプロが全員ひっくり返ったんですよ。

司法、立法、行政の三権ってありますよね。あれ、4つ目の権力としてマスコミが挙げられることがあるんですが、ネットやSNSが、さらなる第5の権力、しかも不確定で流動的な権力になりつつあると思っています……はい! ね、このへんで勘弁して下さい。

(※この子ら、俺の知ってる高校生じゃないぞ、泣きそう……)

お互い正義を懸けた戦いのつもりでいても…

生徒3:アメリカ大統領選でフェイク(偽)ニュースが話題になりましたが、ネット上にある、ウソや間違いについて、見分け方のコツがあれば教えて下さい。

小木曽:なるほど。実はそもそもネットに限らず、情報にウソもホントもないんですよ。だって、何か出来事があって、それを見た人が誰かに伝える、これが情報なんですから。その出来事を見た人の気持ちや考えが必ず含まれているモノ、それが情報です。だから情報って、正しいとか真実っていう言葉と、あまり親和性がないモノなんですよ。

じゃ、そんな情報にどう接すればいいのか。私はいつも「その情報で誰が得をするのか、誰が損をするのか」を考えるようにしています。トップニュースから街のウワサまで、とにかく全部。そうすると、その情報の出所(でどころ)や意図が見えやすくなって面白いですよ。

ついでに言うと、世の中の「正しい」「いや間違ってる」っていう争いは、たいてい単なる好き嫌いですからね。お互い正義を懸けた戦いのつもりでいても、はたから見たら「パンダと柴犬、どっちがかわいいか」を殴り合いながら議論しているんです。その結果、戦争が起きちゃたりしてますからね、だからコレ、結構大事な話なんですよ。これで答えになりましたか? はい、ありがとうございます。

(※どうしよう、これ続くのか。今日は死ぬかもしれない)

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