大阪城の外堀でトライアスロンができる理由 秀吉も驚愕!日本の公園はここまで変わった
だけど思い直して、9億円をかけてリニューアルし、現在カフェやハイエンドのレストラン、ブライダルホールを運営しています。
ここで結婚式を挙げたカップルは、展望会に2人の名前を刻んだプレートを設置できるんです。
たとえばの話ですけど、若い夫婦が子どもができて数年経ったら、「見てごらん、パパとママの名前だよ」って子どもに教えることができるでしょう。
その子が中学生くらいになると、ガールフレンドを連れてマリンタワーにやってきたら「これ、オヤジとオフクロの名前だ。ダッセー」なんて言うかもしれないけど、その子が成人してキャリアウーマンの彼女を連れて夕暮れ時のマリンタワーにやってきたときには「僕の父さんと母さんはここで結婚式を挙げたんだ」なんていってプロポーズするかもしれない。
野尻:親から子へ受け継がれるストーリーがあると。
稲本:僕は本来ブライダル事業にはあまり興味がないんだけど、それをマリンタワーでやっているのは、そういう思い出を重ねていく仕組みっていうのをここでやりたいから。
マリンタワーは多くの人にとって思い出の場所。そういう場所が時間とともにヨレていくのを見るのはつらい。だから思い出ビジネスみたいなものをここでやってみようと思っているんです。
馬場:ゼットンの事業では、名古屋の徳川園も公園運営のすごくいい事例ですよね。
徳川園でのディナーがたった3000円でいいわけがない
稲本:徳川園は由緒ある日本庭園と日本家屋があるんですが、2005年名古屋で「愛・地球博」が開催されるのを機に、その前年に名古屋市が外国人の賓客をもてなす日本庭園としてリニューアルしたんです。われわれはそこでレストランやカフェバーの運営をしています。当初、名古屋市が公表したコンペの基準では、ランチの平均単価が1000円、ディナーが3000円というものでした。
木下:えらいチープな迎賓館ですね(笑)。
稲本:それも、なんと券売機で食券を買うようなスタイルを想定していた(苦笑)。隣にはものすごく立派な美術館もあるのに。なぜそんな安い価格設定になるのかといえば、公共交通機関がバスしかないからだという。「駅から遠いところに人を呼ぶには、価格を下げるしかない」というのが彼らの理屈です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら