大阪城の外堀でトライアスロンができる理由

秀吉も驚愕!日本の公園はここまで変わった

――もう1つ別の事例を見てみましょう。大阪の「大阪城公園」は日本初の公園のコンセッション事業で運営されています。コンセッションとは、公共施設の所有権を国や自治体に残したまま、その運営を行う権利を民間事業者に付与することで、大阪市は20年間にわたるパークマネジメントを電通に委託しました。民間事業者が公園内の既存施設の改修や新しい設備の整備もできるようにしているのが特徴です。

大阪市は電通に20年の「パークマネジメント」を委託。これで民間の大胆な発想が生かされることに。お濠を使ってのトライアスロン大会はこうして可能になった(写真:C7 / PIXTA)

6月に大阪城の外堀を泳ぐトライアスロン大会が実現

野尻:大阪市は日本でいちばん民間企業への委託が進んでいる自治体なんだけど、それは府知事や市長を歴任した橋下徹さんと、府や市の政策顧問をしていた上山信一さんの奮闘があったから。関西国際空港もそうだし、大阪城はお濠(堀)も天守閣も、実はみな民間委託されています。

稲本:今年の6月25日、大阪城公園では「大阪城トライアスロン」が開催されるんですが、泳ぐのは大阪城のお濠。それくらい水質がよくなったというアピールの意味もありますが、これが開催できるようになったのも大阪城が民間委託されたおかげです。

野尻:ところが橋下さんが市長をお辞めになり、上山さんも政策顧問をお辞めになった。それをきっかけに、再び規制が強まる方向に動き出し始めているんです。

馬場:いまや「民間に委託したい」というのは行政の大きな意思になっているのは間違いないと思うんですが、そこで障害になってくるのが「公共性の担保をどうするか」という行政なりの正義。それがあるから、民間から見るとあまりにも無意味な注文や制約が出てくる。

木下:公共性の議論は、議会で始末をつけなければならない問題です。そもそも役所に勤めていようが民間で働いていようが、みな同じ人間。役所勤めの人間は常に公共的な判断を下すけど、民間の人間は常に反公共的なことしか考えていないなんていうことはないです。だからこそ、立場ではなく、中身で決めるべきです。

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