生保10社に行政処分 時期と内容には疑問

生保10社に行政処分 時期と内容には疑問

国内8社・外資系2社の生命保険会社に対し、金融庁が業務改善命令を下した。保険金不払い問題で、各社の経営管理などに改善が必要というのが理由だ。

が、これには疑問もある。

まずその内容だ。今回の命令は、各社が現在行っている内部管理改革に対するもの。事後処分よりは、将来の行動を指導する色合いが濃く、必要性がわからない。支払い漏れの多寡に関係なく処分内容も一律。処分された生保より支払い漏れが多いのに、今回処分されなかった会社もある。なぜ、中下位生保より改革の進んでいる上位10社に絞って、今回処分を出したのか。その基準は明確ではない。

時期も疑問だ。例年7月は霞が関の人事異動の季節。金融庁の保井俊之保険課長も異動する見通しだ。異動前に駆け込みで処分を発動したと勘ぐりたくもなる。旧弊の残る保険業界が変わろうとしているのは、この3年ほどの金融庁の取り組みによる功績だ。だが、今回の処分だけは、不払い問題に対する役人のアリバイづくりの感がある。

(筑紫祐二 =週刊東洋経済)

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