米国株の「バブル」はどこまで続くのか

2017年では終わらず、長期化する可能性

2000年のITバブル崩壊時。NYダウ1万0208ドル、ナスダック1923ポイントの数字が生々しい(写真:AP/アフロ)

市場の関心を集めていたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、15日に政策金利が0.25%引き上げられ、年0.75~1.00%を目標とすることが決定された。利上げはあらかじめ予想されており、市場での織り込みもほぼ100%であったことから、利上げ自体の市場へのインパクトはなかったといえる。

利上げは織り込み済み、「景気引き締め」はまだ先

利上げはトランプ政権発足後では初めてとなり、米国の政策金利が「1%の節目」に届くのはリーマンショック直後の2008年12月以来、8年3カ月ぶりである。FRB(米連邦準備制度理事会)よる金利正常化の動きはさらに前進したといえるだろう。

今回の最大の関心は、今後の利上げペースだった。一部には、2017年通年の想定利上げ回数が従来の3回から4回に引き上げられるとの見方もあったが、結果は3回での据え置きだった。これを受けて、米国債の利回りは急低下した。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは1.308%となり、8日ぶりの低水準に、10年債と30年債の利回りもそれぞれ1週間ぶりの2. 513%、3.114%を付けた。利上げで金利上昇を見込んでいた向きからすれば、まさに「噂で買って、真実で売る」という相場格言通りの動きになったといえる。逆に言えば、それだけFRB関係者の利上げの市場への事前の織り込みが奏功したといえる。

今後の焦点は「次の利上げはいつ行われるか」にある。6月13・14日のFOMCでの利上げ確率は49%(15日時点)で、14日時点の53%から低下した。また9月の利上げ確率は76%、12月は55%となり、市場では次回利上げが9月とみる向きが強まっているようだ。

現時点で次回の利上げに言及するのは時期尚早かもしれない。だが仮に0.25%ずつの利上げが今年2回、来年3回実施されても、3%には達しない。これは、後述するように過去の株価が下落に転じた際につけた水準と比較しても、きわめて低い水準だ。

今回のFOMC声明では、「雇用は堅調に伸び、物価上昇率がここ数四半期で目標の2%に近づいた」とし、物価上昇率について「上昇したが、目標を下回っている」とした前回2月の判断から上方修正している。しかし、インフレと呼ぶには程遠い状況であり、まだまだ急激な引き締めが必要な状況ではない。インフレとともにFRBが注視している雇用情勢についても、失業率は4.7%であり、過去のITバブル時の3.8%やサブプライムローン問題が起きた際の4.4%よりもまだ高い。金利引き上げによる景気引き締めまでには、まだかなり距離があるのが実態である。

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