グーグルの人が「メールしない」本質的な理由 仕事が速い人がやっている仕事のコツ
会議というと、参加者のスケジュールを調整して会議招集のメールを出す、という企業が多いようですが、それだと時間も手間もかかります。でも、「今ちょっといい?」と言われれば、意外とすぐに集まってもらえるものなのです。
メールは持ち帰り文化、チャットはリアルタイム文化
こうして考えると、メールは意外と「面倒」を増やしているのです。
この違いは、メールとチャットの違いをイメージするとわかりやすいと思います。
メールはまず送り手が文章をまとめ、受け手がそれに返事をすることでやりとりが成り立ちます。 1往復するだけで1日、場合によっては数日待たなければいけません。
しかも、1回のやりとりだけで問題が解決しない場合、結論が出るまでに1週間以上かかることも珍しくありません。こうした、ひとりの人が数日かけて作業を終えてから次の人にバトンタッチし、次の人がまた数日かけて自分の分の作業を終えてから、さらに次の人にバトンタッチするという従来の仕事のしかたは、よく考えてみると、非常に非効率なことがわかります。次の人がすぐにその仕事にとりかかれるわけではなく、バトンタッチするたびに、待機時間が発生するからです。
それだけではありません。もし、この一連の仕事の中で誰かの仕事のクオリティが低くて、やり直しを命じられたとすると、それ以降のすべての予定が後ろにズレます。こんなやり方では、どうがんばっても、スピーディに成果物を生み出すことはできません。
一方、メンバーが一堂に会するオンラインチャットなら、対話をしながら意見を集約して、その場で結論を出すことができます。バラバラに作業をしていると何日もかかることでも、時間を決めて関係者全員が集まれば、一気に結論まで出せるのです。
しかも、今は「オンライン」でいつでもどこでもつながれるので、物理的に1カ所に集まる必要はありません。時差の問題はありますが、日本と米国とインドで同時にプロジェクトを進めることもできます。
僕のビジネスパートナーである経営コンサルタントの方は、顧客との打ち合わせ中にLINEを使って、今考えている仮説などをいろいろな人たちに確認しています。また、その方はいくつものベンチャーの立ち上げにかかわり、資金調達のサポートもしていますが、投資家たちとLINEを使ってリアルタイムでコミュニケーションをとっています。最近担当したある案件では、メールよりもLINEでコミュニケーションをした人たちのほうが速く投資できたそうです。
メールというのは、持ち帰り文化です。いったん持ち帰って検討してから返事をする。でも、チャットというのはリアルタイムコミュニケーションです。その場で全部解決します。このスピード感の違いが、仕事の面で生きてきます。
みんなで集まって一気に解決まで導くというのは、10倍の成果を出す、10分の1の時間で成果を出すなど、現状を劇的に変えるためのやり方のひとつです。仕事の仕方も根本から見直すことができるのです。
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