日本株はこれから1年で最高の時期を迎える 3月10日を過ぎれば、待ちに待った上昇へ

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ドル円は1ドル=114円台から円安方向に行くには上値が重く、すでに来週のFOMC(米連邦公開市場委員会、14~15日)での米国の利上げを織り込んでいる状況です。10日の2月雇用統計の結果やFOMC後のFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長会見の内容で、追加的な利上げムードが高まるかを確認するまでは、「円安にさらに進み、大型株が買われるイメージ」は描きづらいと思います。

そういった意味では、3月前半はこのまま東証2部やジャスダック、マザーズなどの小型株の騰勢が保たれる可能性が高いといえましょう。しかし、大型株は「需給のカレンダー上の節目」といわれる3月限の「メジャーSQ」(今年は3月10日)を境に、上昇が強まる可能性が高いとみています。

「SQ」後、株価は上昇する傾向が強い

「メジャーSQ」とは年に4回ある、先物・オプションの決済期日です。3月、6月、9月、12月の各月の第2金曜日と決められています。現物株が先物の動きに左右させられることが多くなった昨今では、相場の分岐点になることが多いともいわれています。

そこで、過去5年間の3月のSQ日を基準にして、日経平均株価がその前後でどう動いたかを平均値でみますと、SQ前は少し弱含む場面もありますが、SQ後の10日間前後は比較的上昇する傾向があります。

年度末で決算対策の売りが3月前半で一巡するほか、おおむねSQが終わったあと11日以内に株主優待・配当の権利付最終日を迎えることが多く、それを目的とした買いが上昇の要因になりやすいことが推測できます。最近は業績がパッとしなくても配当を引き上げる企業が増えていますので、今年も「海外市場に波乱がなければ」の話ですが、SQ後は上昇が期待できると思います。

さて、その海外市場では、ダウ平均が30年ぶりの連続記録(13日連続最高値)更新を逃してしまったと思いきや、1日には300ドルを超す上昇となるなど、予測不能の「青天井」の状況となっています。ただ、これまでの最高値である1日の終値(2万1115ドル)でみると、長期トレンドをみるときに使われる200日移動平均線(以下、200日線)からの「上方かい離率」が12.4%まで上昇しました。

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