日本株の上昇を阻んでいる「4つのイベント」 3月半ばまで、もう少しの辛抱が必要だ
トランプ演説は予想通り大したことはなかった
トランプ米大統領が、2月28日(火)に、通例よりかなり遅れて議会演説を行なった。内容は、事前の多数の予想通り、経済政策については具体的な言及がなく、大したことがなかったと言えよう。
「多数の予想通り」というのは、もともとトランプ氏の経済政策は、具体的な数値については、選挙時に「思いつきで挙げたのでは?」と首をかしげるようなものが多かった。結局、実現可能な政策に落とし込むのには、「時間がかかる」のは自明だった。
そのため、上記の議会演説(例年なら一般教書演説に相当)は、通常は1月下旬に行なわれるものが1カ月も遅れており、大統領が予算についての要望を述べる予算教書の発表も、2月上旬までが慣例であるのに対して、後述のように今月半ばとなりそうだ。
経済政策以外を見ても、外交政策が右往左往している。中国に対しては、当選直後は「一つの中国政策」を見直す可能性を示唆したものの、日米首脳会談直前には習近平主席に電話し、同政策を堅持すると語った。対ロ政策絡みでは、フリン氏が政権発足前にロシアと協議していたとのスキャンダルで大統領補佐官を辞任したのちは、対ロ強硬派のマクマスター氏を後任に充てている。
こうした変化を好ましいものと考える向きがいるかもしれないが、そうではなく、極めて重要な対中、対ロ政策についても、行き当たりばったりでことを進めているということだろう。今後も政策があっちへ行ったりこっちへ行ったりする可能性が高い、と解釈すべきだ。
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