東京・四谷「坊主バー」に女性が殺到するワケ

「不謹慎だ」と言われても、悩みに寄り添う

とはいえ、悪縁もないわけではないそうだ。その人と一緒に仕事をすることで自分のキャリアがダメになっていったり、他の人間関係が悪化したり。自分をマイナスにする縁は実際にあるという。それを見極める方法は、「物事をあるがままに見る、己をまっさらにして見る」こと。欲が出ているときに、悪縁に結ばれてしまうのだとか。

お坊さんは、職業ではなく“道”だ

藤岡さんは、17年間営業を続けてこられた理由をこう振り返る。「続けてこられたのは、わたしたちがやっていることが間違っていないからだと思っています。さまざまな批判はありますが、学ぶべきところをありがたく受け取るだけ。批判の中に真理があることもあります。われわれは100%正しいことをしているとは思っていないし、100%間違ったことをしているとも思っていません。その中で、これが正解かな? と思うことをし続けているだけ。お坊さんは職業ではなく、“道”だと思っています。お客さまの悩みに寄り添うために、ここに居続けることが大切なんです」。

1日に数回、店内の仏壇の前では僧侶による法話が行われる(撮影:梅谷秀司)

批判されても、それに振り回されたり、心が折れてしまわないための秘訣は、「受け取らないこと」だという。「相手に怒りを投げた場合、受け取る側がそれを受け取らないと、その怒りは投げたほうが持ち帰るしかありません。批判をされても気にしないことです。自分が正しいと信じてそれを続けていけば、それは間違っていない、という答えがどこかに出てきます。行動をすれば結果はついてきますから」。

夜も更けて、女性客ふたりが来店した。1番人気の「極楽浄土」をオーダーし、会社の人間関係の悩みを相談していた。

多くの人は、自分の思い込みや経験からの色眼鏡で世の中を見ていることが多い。今まで気づかなかった視点に気づくことで、この社会は格段に生きやすくなる。坊主バーに行けば、そのきっかけが得られるかもしれない。

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