アパホテル、驚異の利益率33%を稼ぐ仕掛け 元谷代表「書籍問題で世界的に知名度アップ」

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アパが突如、発表した決算にはバランスシートやキャッシュフローが掲載されていない。「公表の予定もない」(会社側)という。ただ信用調査会社によれば、2015年度の中核3子会社(アパホーム、アパマンション、アパホテル)の有利子負債は合計で2000億円に達した。

公表している2016年度決算で、金利払いを含む営業外収支は33億円のマイナスになっている。個々の子会社の合計に過ぎず、事業領域が重複していることを考慮しても、かなりの金額の有利子負債が存在するのは間違いない。

ライバルも東京進出を加速

2010年以降、都内で急激に増えたアパホテル。2020年までにさらに増やす計画だ(記者撮影)

実際に、新宿の既存5ホテルの不動産登記によれば、このうち4件の不動産をアパマンションやアパホームというグループ会社が所有し、アパホテルが運営を担っているようだ。

こうした既存の物件にはいずれも都市銀行や地方銀行、リース会社などが根抵当権を設定している。内情に詳しい関係者は「自前で取得した不動産やホテルを抵当に入れ、次の物件を買いに行っている」とも説明する。

東京には競合他社も進出を進めている。大手不動産コンサルタントCBREでホテルを担当する吉山直樹・シニアディレクターによれば、2020年度までに東京23区内で現在の25%にあたる2.1万室のホテル客室数が供給されるという。吉山氏は「宿泊単価が急上昇したことで、昨年半ば以降は日本人需要が減ったり、民泊に流出している。今後の需給バランスは不透明」と指摘する。

はたして、このままアパの拡大は続くのか。すべては70歳を超えた元谷代表の手腕にかかっている。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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