金正男の暗殺現場に行ってみて分かったこと

クアラルンプール空港には「欠点」がある

事件は写真中央、案内カウンター右手奥で起こったとみられている(筆者撮影)

2月13日朝、マレーシアの首都・クアラルンプール国際空港で、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男氏がベトナム国籍の女性とインドネシア国籍の女性に襲われ殺害される、という事件が起きた。空港という、一般の人々が行き交う空間で起きた事件だっただけでなく、北朝鮮の最高元首の異母兄が暗殺されるという異常な事態に、各国のメディアは競ってその経過を追っている。

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マレーシアの航空動向をめぐっては、2014年3月にはクアラルンプールから北京に向かっていたマレーシア航空機が失踪、同年7月にはオランダからマレーシアに向かっていた同社機がウクライナ東部の上空で撃墜される事件があった。マレーシアに関する話題はといえば、このように立て続けに起こったマレーシア航空の事故、事件くらいしか印象がない読者も多いのではないか。そこに加えて今回の暗殺騒ぎが起こってしまったわけである。

事件が起きたのはLCC専用ターミナル

筆者は、3月1日、事件が起こった現場に行ってみた。現場は、クアラルンプール国際空港の「KLIA2」と呼ばれるターミナルで、いわゆる格安航空会社(LCC)発着用に建てられたもの。発着便のうち、90%以上がマレーシアを拠点とするエアアジア社が占める。

事件が起きたポイントを中心に詳細な検分が行われた(写真:ロイター/Edgar Su)

VXガスの痕跡が遺体から検出された後の2月26日、残留危険物の有無を調べるため、空港の出発ターミナルでは防護服を着た危険物処理班により、事件が起きたポイントを中心に詳細な検分が行われた。

結果は、特にVXガスなどの残留は認められず、空港のターミナルは事件前と変わらぬ平時の姿を取り戻している。金正男と思しき人物が搭乗券を手にしようとしたオンラインチェックインマシンも普通に使うことができた。

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