「テロ対策特別措置法」期限延長の問題は、国際貢献のあり方から議論すべし【2】

「テロ対策特別措置法」期限延長の問題は、国際貢献のあり方から議論すべし【2】

アフガニスタンの現状とニーズ
 
 では肝心の、アフガニスタンの状況はどうなっているのでしょうか。これについては、同国で兵士の武装解除を担当した方、医療のNGO活動をしている方、国連で難民支援などを担当した方、国際コンサルタントの方などから話を聞きました。情報の出典が複数あり、データの整合性が取れてない部分もありますが、いくつか紹介させていただきます。

○生活環境
 アフガニスタンで医療支援・教育支援を行っているNGO「カレーズの会」の資料によると、現在、アフガニスタンで栄養失調に陥っている人は、全体の70%。つまり、ほとんどの人が十分な食料を摂れない状況にあり、飲料水が入手できる人も全体の13%に過ぎません。また、病院も十分ではなく、人口当たりの医者の数は日本の20分の1です。
 こうした環境下で子供の死亡率は高く、10人の子供のうち5歳になれるのは7.4人。つまり4人のうち1人は5歳までに亡くなっているのです。
 また、国内の経済・農業インフラも破壊されており、働く場所さえままならない状況です。青年男性の4割に仕事がなく、彼らは食べていくために犯罪に手を染めるという悪循環に陥っているといいます。

○治安状況
 同国内の自爆テロは、近年急激に増加しています。2005年に16件だった自爆テロの件数は、2006年には220件と10倍以上に。自爆テロによる死者も、2006年には約6000人(うち民間人が1500人)となっています。
 民間人の被害は自爆テロによるものだけではありません。多国籍軍の誤射・誤爆による民間人死者の数は、2007年1月~4月の4カ月で320~380人に上るとみられています(ISAF推定)。これに対し、アフガニスタンの国民は憤りを露にし、多国籍軍に対する投石運動も起こっています。
また、アフガニスタンのカルザイ大統領も遺憾の意を示しており、どこまで軍事掃討作戦を継続するかという議論も沸き起こりつつあります。
 先日、韓国人23人の誘拐があったように、地元で活動するフランス人、ドイツ人の誘拐も起きており、治安は急速に悪化しています。
 これらを取り締まるべき警察も民兵が担当し、警察自体がギャング化しているという話も聞きました。また、治安が悪化している南部東部では、麻薬(ケシ)の栽培が2年で2倍になったといわれています。産業がないため、麻薬で経済を支える構造が生まれているのです。
 なお、2006年のアフガニスタンでの麻薬栽培は世界の約9割を占めています。同国はいまや世界最大の麻薬生産国となっているのです。

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