フェイスブックが悩む、モバイル化のジレンマ 日本のモバイル体験にヒントあり
Facebook for Every Phone
それは、スマートフォンがまだ本格普及していない国々でも同じことだ。今後のユーザー数、ビジネス拡大のフロンティアが途上国にあり、ここがPCを介さずに始めからモバイルで拡大しようとしている。フェイスブックはこの動きに対処し、フィーチャーフォン経由でのアクティブユーザーが月間1億人を突破したことは、フェイスブックの将来性に大きく関わる。
先進国では第三世代通信(3G)から第四世代通信(4G)・LTEへの移行によって、通信速度は数Mbpsから数10Mbpsへと向上し、文字だけでなく写真や動画を手軽に楽しめるようになった。3Gの時代からデータ通信料金に4000円から5000円を毎月支払ってスマートフォンを利用している。フェイスブックは企業ページを活用した広告プランなどを提供しており、モバイルアプリのニュースフィードにもスポンサーのページのおすすめが流れてくるようになった。
しかしこれからユーザー数の増加がより多く見込めるのは新興国であり、ライフスタイルが大きく異なるこうした市場での成功を収めるには、先進国での取り組みとは違う戦略が必要だ。回線や端末がまだ充実していない新興国に目を向けてみると、依然SMS(Text)を中心としたコミュニケーションが主で、写真や動画の活発な共有が普及するまでには今しばらく時間がかかりそうだ。
端末と回線、そしてそれらの費用の問題を解決してフェイスブックの利用を促進するためのプログラムが「Facebook for Every Phone」だ(関連のブログポスト)。
イメージは、日本のiモードケータイでフェイスブックを円滑に使えるように、より軽いデータでフェイスブック体験を楽しめるようにするアクセス環境の提供だ。このプログラムでは、アクセス環境だけでなく、データ通信のコストにもメスを入れている。
インドやバングラディッシュ、ロシア、エジプト、ナイジェリア、フィリピン、インドネシア、ブラジルといった国々の携帯電話会社と組んで、使い始めてから最初の90日は無料でデータが利用できるようになっている。また、SMSをフェイスブックメッセージに置き換えるという施策のため、メッセージの通信料を無料にする取り組みもしている。
フィーチャーフォンのアクティブユーザー1億人突破は、こうした新興国向けの2011年からの取り組みが奏功した結果といえるだろう。
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