日本ではなく「アジア」へ就職するという選択 間違いなく困難は多いがメリットもある
グローバル化が進展する現代の状況を考えたとき、1つの有力なキャリアの選択肢があります。それは「アジア」を中心とした「海外で仕事をする」という選択肢です。
フィリピン・マニラで働く田中さんの場合
日本人ながらフィリピン・マニラで働く田中美由紀さん(仮名、27歳女性)の事例から、戦略的にキャリアを積むことについて考えてみましょう。
田中さんは現在、フィリピンの首都であるマニラのマカティで日系オフィス商品の販売代理店に在籍して仕事をしています。その会社に在籍している日本人は現地社長と田中さんの2人だけ。他の5人の営業スタッフと1人の経理総務の女性はすべてフィリピン人です。
現在のマニラの職場に就職する前は、田中さんは長野県松本市で、事務系の仕事をしていました。しかし、給料も最低賃金を何とか超える程度で、その仕事に将来性もやりがいも見いだせていなかったようです。
そんな彼女の転機となったのは、思い切って仕事を辞めて、フィリピン・セブへの英語留学をしたことでした。もともと英語は得意ではなかった田中さんでしたが、2カ月ほど毎日8時間程度フィリピン人講師のマンツーマンレッスンを受けた結果、日常会話プラスアルファの英語力を身に付けることができました。
同時にフィリピンとこの国に住む人々のことが好きになった田中さんは、私のアドバイスと日系転職エージェントからのサポートを受けて、現在の会社に入社しました。月給は8万5000ペソと日本円にして20万円程度ですが、現地の物価を考えると日本で一人暮らしをしていた時と比べると貯金も多くできるとのこと。何よりも日々英語を使い、営業マネジャーとして仕事をする中で成長を実感できることがいちばんの報酬だと言います。
現在の目標は数年以内に、シンガポールかマレーシアのクアラルンプールでアジア全域を統括するような仕事をするか、大好きなフィリピンのマニラかセブで自分のお店を持つこととのこと。もちろん、慣れない英語で、フィリピン人をマネジメントすることは大変であり、時には投げ出してしまいたくなることもあるとのことですが、「今はこの仕事がやりがいもあり、楽しい」と話しています。
彼女は決して、特別な存在ではなく、一般的な「アジア就職」を果たした女性の例です。彼女のキャリアはすでにご紹介している下記の有効なキャリア戦略が成立するための「3つの条件」に当てはまるのでしょうか?
【第2条件】費用対効果を最大化する
【第3条件】実行可能である
まずは【第1条件】「中長期的に有効である」について考えみましょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら